2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360042
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
竹内 淳 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80298140)
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Keywords | 量子ドット / スピン / 化合物半導体 / フォトルミネッセンス |
Research Abstract |
高均一量子ドットの基底準位から第二励起準位にいたる各準位のスピン偏極率を時間分解フォトルミネッセンス(PL)法によって調べた。サンプルはGaAs層で埋め込んだ高均一量子ドット(PL半値幅:19meV)である。実験では、チタンサファイアレーザを光源とする円偏光パルスを用いてスピン偏極キャリアをGaAs層に光励起し、ドット中に緩和したキャリアのPLをストリークカメラによって時間分解測定した。キャリアスピンの向きはPLの円偏光から判別した。その結果、5mW励起での第二励起準位(1050-1070nm)のPLでは、スピン偏極率の初期値が45%という非常に大きな値を有していることがわかった。この高いスピン偏極率のために、スピン偏極の緩和は160psと高速であるものの、発光強度の時間積分値から求めたスピン偏極率は約24%という大きな値が得られた。他の準位のスピン偏極率は、基底準位(1170-1190nm)では1mW励起において約11%、第一励起準位(1108-1128nm)では3mW励起において約12%、第三励起準位(980-1000nm)では15mW励起において約26%という値が得られた。高いエネルギー準位ほど、スピン偏極率が大きくなるのはスピンパウリブロッキングに起因すると考えられる。本研究では他に、材料系の異なる量子ドットの可能性を探るために、CdTe/ZnTe量子ドットのドット間のキャリア移動を時間分解PL法によって調べた。その結果、このキャリア移動が熱によって移動が活性化されるというモデルで説明できることがわかった。また、スピンの応用可能な材料系の探索のために、六方晶GaNのアクセプタ束縛励起子のスピン緩和時間をポンプ・プローブ法によって調べ鳥その結果、50K以下では1.5ps前後の極めて高速のスピン緩和時間を示すことが明らかになった。
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