2006 Fiscal Year Annual Research Report
3次元電気泳動顕微鏡の開発とそのソフトマテリアルへの応用
Project/Area Number |
18360046
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木村 康之 九州大学, 大学院理学研究院, 教授 (00225070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 正敏 九州大学, 大学院理学研究院, 助手 (40403919)
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Keywords | レーザートラップ / 単一粒子操作 / コロイド / 液晶 / ダイナミクス / 粘弾性 |
Research Abstract |
本研究では、複雑な内部構造を持つソフトマター中に分散したナノサイズの荷電コロイド粒子をレーザートラップし、試料中の各点において、その揺らぎあるいは交流電場に対する複素変位(あるいは複素易動度)を測定することで、試料の3次元的な構造や局所力学的ダイナミクスに関する情報をメソスコピックスケールの分解能で得ることが可能な3次元粘弾性顕微鏡の開発を目指している。 このために、本年度は単一粒子レーザートラップを行なうための光学系を市販のマルチポートを有するシステム蛍光顕微鏡を利用して新たに組み上げた。まず、トラップ光として高出力(10W)のLD励起赤外線レーザー一を導入し、2軸音響光学回折システムを用いることでトラップ光の焦点位置を試料面内の十ミクロンスケールの範囲内で、2次元的に高速操作可能にした。さらに、顕微鏡用ステージとして、3次元的に位置制御可能なピエゾステージを通常の手動のステージと併用することで、レーザー光の焦点位置を2次元方向のみならず、深さ方向100nmの精度で走査可能なシステムを実現した。現在、プローブとなるコロイド粒子の位置を広い周波数帯域(時間スケール)で、ナノメートルの位置分解能で検出可能な検出系の開発を行なっている。 また、開発されたレーザーピンセットシステムのテストを兼ねて、2成分コロイド溶液や液晶中でのコロイド粒子間相互作用の直接測定を行ない、理論的に予言されていた特異な相互作用に関して新たな知見を得ることに成功した。
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Research Products
(10 results)