2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360047
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
張 小威 High Energy Accelerator Research Organization, 物質構造科学研究所, 研究機関講師 (80217257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 弘 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教 (80222058)
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Keywords | 超精密計測 / X線・粒子線 / アボガドロ常数 / 放射光 / 格子欠陥 / 物性実験 |
Research Abstract |
基礎物理定数のアボガドロ定数はX線で計測した原子レベルの結晶密度と巨視的なシリコン結晶密度の比として表すことができる。近い将来にキログラムの定義を原器から特定した元素の具体的な原子数で改めるために,国際的な協力体制で同位体^<28>Siをエンリッチした結晶を数キログラム成長させ,その結晶の評価を関連各国の標準研究機関が高度な計測技術で行われている。日本の計量研がKEK-PFにて本研究で開発した「超高分解能結晶格子評価システム」を用いて,(1)同位体濃縮単結晶シリコンと全く同条件で育成された天然同位体比のFZシリコンと、(2)予備測定として小さいサイズの同位体濃縮シリコンの結晶評価を行うことおよび(3)同位体濃縮シリコンの結晶熱膨張係数を精密に計測した。 環境の温度制御を1mK幅以内に実現させたので,システムの分解能が最終的に2×10^<-9>に到達することができた。同位体濃縮シリコンと全く同じ条件で結晶化を行った自然同位体シリコンについての格子面間隔分布評価を行った結果,結晶面内に同心円状の格子面間隔変化が観測され、その相対変化量は約3×10^<-8>であったことを明らかにすることができた。同位体濃縮シリコン結晶に対しても,これから評価測定を行う予定である。 ^<28>Siをエンリッチした単結晶の物性値は天然同位体混合の結晶と異なる。例えば熱伝導性がエンリッチした単結晶が2倍も高くなり,結晶の格子間隔も^<28>Siエンリッチした単結晶が天然混合比の結晶に比べて2ppmほど伸びている。よって,この特別な結晶の熱膨張係数についても,実験的に確かめなければならない。この超高分解能結晶格子評価システムを使って,20℃〜23℃において,両者の熱膨張率の相対差は0.1%程度であることが確かめられた。
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Research Products
(4 results)