2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360048
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
室田 一雄 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (50134466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 明久 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50217189)
岩田 覚 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (00263161)
土村 展之 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教 (20345119)
森口 聡子 上智大学, 理工学部, 助教 (60407351)
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Keywords | 離散最適化 / 凸関数 / 双対性 / 劣モジュラ関数 / マトロイド |
Research Abstract |
本研究の目的は,経済学,システム工学,オペレーションズ,リサーチ,最適化理論,アルゴリズム理論などの広汎な分野における基礎的諸問題に関わる離散構造を,離散凸性という横断的視点から整理し,「離散凸」という新しいパラダイムを確立し,それを広範囲の応用分野に浸透させることにある。この目的の実現のため,「離散凸パラダイム」の横糸を成す,構造定理やアルゴリズムを代表とする離散関数に関する数理の研究と,縦糸を成す,諸応用分野における具体的な諸問題に対する研究を行った。具体的な本年度の研究実績は以下の通りである。 ・マトロイドの重要な性質の一般化として,2部グラフノマッチングの抽象化概念であるリンキングシステムを用いた変換によって,M凸関数がM凸関数に移されることを示した。 ・リンキングシステムは行列の乗算と類似の演算を直接的に表す離散構造としても知られている。行集合と列集合を共有するリンキングシスァムの組を,行列ペンシルの組合せ論的抽象化と捉えて,マトロイドペンシルと定義し,行列ペンシルのKronecker標準形に類似した組合せ的な構造を明らかにした。応用として,リンキングシステムの冪乗に関する室田(1990)の定理に簡潔な別証明を与えた。 ・離散凸関数の実用的な高速最小化法のために,連続関数を用いて離散関数が定義されているという実用上一般的なケースに対して,連続緩和を利用した最小化法を導入した。さらに,連続緩和解と離散最小解の近接性を証明した。 ・多重クラス待ち行列システムの解析で現れる劣モジュラ関数に対して,効率的な最小化アルゴリズムを構築した。 「離散凸パラダイム」の基礎を成す離散凸解析の理論を平易に紹介する書籍を発行した。離散凸関数の諸例についても述べ,諸応用分野への展開を図った。
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Research Products
(11 results)