2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナヴィエ・ストークス方程式の解の多重性と乱流遷移現象との関連に関する研究
Project/Area Number |
18360049
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永田 雅人 京都大学, 工学研究科, 教授 (80303858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 通男 京都大学, 工学研究科, COE研究員 (60081444)
河原 源太 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (50214672)
板野 智昭 関西大学, 工学部, 講師 (30335187)
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Keywords | 流れの安定性 / ナヴィエ・ストークス方程式 / 非線形安定性 / 分岐解析 / 解の多重性 / 層流乱流遷移 / フロケ理論 / スパン方向平均流 |
Research Abstract |
[1]回転平面ボアズイユ流の解の分岐:流れ方向に回転軸をもつ回転平面ボアズイユ流の安定性解析を行った結果,流れは回転が遅い場合には,回転がない場合と同様,2次元横渦擾乱に対して不安定になるが、回転の影響が強くなると回転のない場合より極めて低いレイノルズ数領域で3次元構造の擾乱に対して不安定になることをつき止めた.この線形解析の結果をもとに拡張した非線形解析では,基本流から分岐する3次元の渦構造を持つ流れを求めることができた.この2次流れは,主流方向に伝播する伝播波解で,スパン方向に平均流を生成していることがわかった.スパン方向の平均流は,これまで乱流領域での直接数値シミュレーションで確認されているものの,その起源については不明であり,当研究の分岐解析によりはじめて解明された. [2]成層テーラー・クエット流の実験観測:鉛直同軸回転2重円筒間内に塩水による密度成層をつくり,円筒の回転による流れの変化を実験観測した.密度成層は流れを安定化させ,2次流れの鉛直方向波長を減少させる効果がある事を示した.また,外円筒のレイノルズ数が180を越えると基本流はいったん螺旋状の渦を伴なう流れになった後,成層していない場合には見られない様々な流れに遷移していくことが観測された. [3]壁面の併進振動をともなう回転平面クエット流の解の分岐:スパン方向に回転を伴なう平面クェット流において壁面に加えた併進振動が流れの安定性に与える影響をFloquet理論を用いた線形安定性解析および直接数値シミュレーションによる非線形解析で調べた.その結果,振動はその影響が小さいとき流れを安定化し,振動の影響が強いと不安定の効果を及ぼすことを示した.また,流れを不安定化する擾乱は振動と同周期および倍周期で反応すること,さらに,2次元擾乱だけでなく3次元擾乱によっても不安定になり得るパラメータ領域が存在することを示した.
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Research Products
(3 results)