2007 Fiscal Year Annual Research Report
低温動作型SOFCの開発を目指したセル薄膜化とその設計法に関する研究
Project/Area Number |
18360053
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋田 俊之 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (40180814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水崎 純一郎 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90092345)
湯上 浩雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60192803)
川田 達也 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10271983)
佐藤 一永 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (50422077)
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Keywords | 固体酸化物燃料電池 / 低温作動温度化 / 薄膜化 / ナノポア制御 / 特性評価システム / 機械的耐久性 / 電気的性能 / 設計法 |
Research Abstract |
本年度は,研究(1)〜(4)を実施することにより以下に記載の成果を得た. 研究(1)薄膜およびナノポア材料作製法に関する検討:イットリアならびにガドリア系酸化物を構成要素とする電解質の薄膜化を行い,スプレー法,ディップ法およびドライプレス法による作製方法により0.5μmから数10μmまでの範囲の電解質を多孔質基盤上に作成することに成功した.特に,前駆体材料のゾルを用いた新しいスプレー法を開発した.なお,上記の空気極あるいは燃料極である電極材料としての多孔質膜はスクリーンプリント法で作製し単セルを構成した. 研究(2)構成要素の基礎特性評価:還元環境すなわち酸素ポテンシャルが弾性係数ならびに破壊強度などの機械的特性に及ぼす影響について,イットリアならびにガドリア系酸化物を対象とした検討を行い,酸素不定比性と機械的特性の変化によい対応関係があることをはじめて示した.すなわち,酸素イオン欠陥が増大するに従い機械的特性が低下する傾向が存在することを明らかにした.さらに,力学的応力が電解質材料の導電性に及ぼす影響を調べ,引張ならびに圧縮応力下において導電率の変化を定量的に把握するとともに分子動力学的方法により検証している. 研究(3)模擬作動環境下における単セルの特性評価:研究(1)で作成した単セルを用いて,模擬作動環境下における性能を評価し,電解質の厚みが数10μm以上の場合には良好な発電特性が得られることに対して,電解質の厚みが数μmの範囲では特性が低下することを示した.加えて,空気極側の電解質において,空気極構成元素の拡散が認められ,電解質の破壊形態が粒界から粒内破壊に遷移することを示した. 研究(4)SOFCの設計手法に関する検討:SOFCの設計において,機械・電気・化学的因子の相互作用効果は無視できるものではなく,拡散の加速現象も含めて考慮すべき現象であることを明らかにした.
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