2007 Fiscal Year Annual Research Report
超難度外科手術支援のためのRP技術適用に関する統合研究
Project/Area Number |
18360057
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
原 利昭 Niigata University, 自然科学系, 教授 (50134953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 直人 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10251810)
大森 豪 新潟大学, 超域研究機構, 教授 (70283009)
新田 勇 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30159082)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 側弯症 / 光造形 / 大腿骨頭すべり症 / 脊椎不安定症 / 大腿骨頭壊死 / バイオメカニクス / 骨脆弱性 |
Research Abstract |
治療そのものが困難であり、正確なXPやCT画像の取得も容易でない大腿骨頭すべり症のモデルサージェリーに本法の適用を試みた。共にJOAスコア79点、Drehmann徴候(+)の13歳男児(入院時身長170cm、体重65kg、後方すべり角67°、股関節屈曲100°、外旋10°)および15歳男児(入院時身長177cm、体重100kg、後方すべり角52°、股関節屈曲90°、外旋45°)のモデルサージェリーに対し、本法は従来手法(石膏モデルを利用する方法)に比べて、モデル作成時間が1/15、形状精度4倍の結果を得た。更に、術前検討で術式・術法確認のためモデルを切断するケースが多い事から、この様な場合にも複数のモデル作成が迅速に行える点や患者負担の軽減が可能となる点も含めて本法が圧倒的に有利である事を確認した。 次いで、側弯症椎骨の矯正術に対して本法の適用を試みた。胸郭の実験力学的解析およびモデルサージェリーの結果より、変形が極度に重篤である事と神経系を損傷する可能性が大きい事から、矯正術の適用を見送る事となった。画像では得難い胸椎の変形状態を"手と目で完全に見る"事や正確且つ処置法の検討が繰り返し可能となる点で本法によるモデルサージェリーは高い臨床的評価を得た。 過去2年の研究成果を踏まえて正確な骨粗鬆症骨の脆弱性評価方法の確立を目指した。卵巣摘出(OVX)ラットと健常(Control)ラットの腰椎海綿骨骨梁構造を再現した試料モデルにより強度解析を行った。前者に対する後者の最大応力の変化率より、骨粗鬆症が進行すると骨梁同士の連結性および骨梁の縦方向よりも横方向での顕著な構造的強度の低下が見られる事を明示した。今後、骨粗鬆骨梁構造パターンデータを蓄積し、光造形モデル解析から得たより生理学的な境界条件をFEM解析に適用すれば、臨床医にとって長年の夢であった診断時での確度の高い脆弱性評価が可能となる。 その他、骨欠損部への腓骨移植が移植後の下肢及ぼす影響および腓骨近位部から移植片採取する事の臨床的妥当性を実験力学的に示したが、現在、RPモデルでの厳密な証明を試みている。
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