2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症治療のための患者別全骨格力学解析手法の開発研究
Project/Area Number |
18360058
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
坂本 二郎 Kanazawa University, 自然科学研究科, 准教授 (20205769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 範夫 金沢大学, 医学部附属病院, 准教授 (70214674)
笠原 禎也 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 准教授 (50243051)
日垣 秀彦 九州産業大学, 工学部, 教授 (00238263)
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Keywords | 機械材料・材料力学 / 生物・生体工学 / バイオメカニクス / 医療・福祉 / シミュレーション工学 |
Research Abstract |
本研究では,骨粗鬆症の患者ごとの全骨格に対する力学解析モデルを医療画像から作成して骨強度解析を実行し,患者ごとの解析結果をデータとして蓄積して,骨粗鬆症の診断と治療に有効活用できる方法の確立を目指している.平成19年度は(1)力学解析システムの開発,(2)臨床データの収集・分析,(3)データベースの構築,(4)荷重条件導出のための筋骨格モデリングに分けて研究を行った. (1)については,患者別の骨格力学解析モデルを効率よく作成する技術として導入した「メッシュマッチング法」において,脊椎などの複雑な形状をより正確にモデリングするため,FDD(Free Domain Deformation)法を組込んだ改良を行った.これを腰椎および大腿骨のモデリングに適用し,その有効性を確認した.また,そこで作成した同じデータ構造を持つ複数の患者別有限要素モデルを用いて,「ベーシスベクトル法」によりそれらを合成して新たな形態のモデルが作成できることを確認した. (2)については,骨粗鬆症患者に対して腰椎の骨量測定と,骨格形態がわかる医療画像データの収集を継続して行った.また,(4)で得られた骨粗鬆症による脊椎後弯患者の荷重条件について臨床的な分析を行った. (3)については,画像の特徴量を抽出できるデータベースシステムを開発した.また,脊椎の寸法・形状は患者ごとに異なるが,それを正規化する方法を提案し,骨粗鬆症脊椎の骨密度分布画像に適用して,データベース上で比較可能な患者別画像データを作成した. (4)では,18年度の研究で作成した筋骨格モデルについて,腰椎周囲の筋力解析を検証するための比較実験を行いその妥当性を確認した.また,骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折により脊椎が後弯した場合を想定した解析を行い,脊椎後弯変形後の脊椎における負荷状態の変化を明らかにした.
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Research Products
(4 results)