2007 Fiscal Year Annual Research Report
微視損傷機構解明・結晶方位測定による高リサイクル性・耐損傷性ナノ結晶材の創製
Project/Area Number |
18360060
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
菅田 淳 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 教授 (60162913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 昌彦 広島大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70274115)
曙 紘之 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50447215)
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Keywords | ナノ結晶材料 / 微視的観察 / 結晶方位解析 / 損傷機構同定 / 疲労き裂発生 / 微小疲労き裂進展 / 寿命評価 / リサイクル性 |
Research Abstract |
高リサイクル性を持つ絶縁皮膜層を有する軟磁性粉末冶金合金について,昨年度に引き続き樹脂の添加を行わず高圧縮成形圧によって密度を高めた素材について,平面曲げ疲労試験を行い,表面微小き裂の発生および進展挙動を検討し,以下のことを明らかにした. (1)き裂の起点は粉末粒界と表面の空孔が混在していた.高密度になるほど空孔からき裂が発生する割合は減少し,空孔率の減少によって,空孔が疲労強度特性におよぼす影響は小さくなる. (2)疲労強度特性に優れた軟磁性粉末冶金合金の開発には,高密度化を行い,空孔率を減少させることが有効であるが,高密度な材料においては,き裂が粉末粒界から生じるため,同時に界面強度の向上が求められる. (3)高分解電子顕微鏡による破面観察から,絶縁被覆層が成形過程で破壊することはなく,成形後も十分な絶縁を有しているとともに,純鉄同士の結合力はほとんど無く,粉末のかみ合わせにより強度が上昇していることが明らかとなった. 結晶粒径が300〜500ナノメートルの超微細結晶粒P/Mアルミニウム合金の,中高温域での疲労強度特性についての検討を行った.塑性予加工材においては引張強度が205℃で約半分に低下するのに対して,疲労強度は2割程度しか低下せず,高温環境下での疲労特性が優れていることが明らかとなった.しかしながら.塑性予加工材では介在物起点とした破壊が多く見られ,温度上昇により介在物と母相の界面接着強度が低下したものと考えられる.
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Research Products
(2 results)