2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360072
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
稲崎 一郎 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30051650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 藤詞郎 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70129302)
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Keywords | 振動切削 / 超音波 / 小径穴加工 / 難削材 / ドリル工具 / 工具摩耗 / 切削抵抗 |
Research Abstract |
各種機械,電子システムの高度化に伴う各種部品の小型化は,例えば軸物であれば小径化による加工物剛性の低下,小径穴加工のための切削工具剛性の低下が要求加工精度の達成を困難にしている.これらに対処するには,加工中に発生する切削抵抗を低減することが必須である. 本研究は,切削抵抗の低減を目的に,超音波振動を付与して小物部品の振動切削を可能とする機器を開発し,ニアドライ切削と併用することによって従来では達成が困難であった小物部品の高精度切削加工を低環境負荷の下で実現することを目的として2年間の計画で遂行されている.初年度である平成18年度は,主として軸方向超音波振動を付与した切削加工の基礎実験を行った.得られた成果を以下に要約する. 1)穴あけ加工用の軸方向超音波振動装置を設計し,これを試作した. 2)立型マシニングセンタ主軸に試作した装置を取り付け,被削材にアルミニウム合金(A5052),純アルミニウム(A1050),タフピッチ銅(C1100),ステンレス鋼(SUS630),チタン合金(Ti-6Al-4v)を用いて軸方向超音波振動を付与した小径ドリルによる穴加工試験を行った. 3)軸方向振動の付与により,切削抵抗は通常穴加工に比べて最大で約80%低減し,同時に表面粗さの向上が確認された.しかし,振動付与によって生成される切り屑の工具絡みつきとこれに起因する切削油剤の供給不良と加工点温度の上昇が生ずることが指摘された.また,ドリルエ具チゼル刃の衝突による,チッピングの発生が問題となることも指摘された. 4)軸方向振動付与は,特に,ステンレス鋼やチタン合金などの難削材に対する小径穴加工で効果を示すことが明らかとなった. 以上の結果をふまえて,平成19年度では,ドリル工具に超音波ねじり振動を付与する装置を試作し,ニアドライ加工による小径穴加工を行い,その効果を解析する計画である.
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Research Products
(2 results)