2007 Fiscal Year Annual Research Report
窒素ガス潤滑による窒化炭素膜の超低摩擦発現機構の解明と超低摩擦しゅう動要素の開発
Project/Area Number |
18360075
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
足立 幸志 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (10222621)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 康司 東北大学, 大学院・工学研究科, 名誉教授 (50005443)
久保 百司 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90241538)
|
Keywords | 窒化炭素膜 / 窒素ガス / なじみ / グラファイト / 窒化ケイ素 / 超低摩擦 / 雰囲気 / 乾燥空気 |
Research Abstract |
窒素ガス潤滑よる窒化炭素(CNx)膜の超低摩擦の発現機構はいまだ未解明であるが,これまでに申請者らは,しゅう動条件,窒素の雰囲気圧力など稼動条件の制御により超低摩擦と極限的耐摩耗を積極的に発現し得る可能性を実験的に明らかにしている. 2年目の本年は,安定した低摩擦システム確立の鍵となる「なじみ過程」が窒素ガス潤滑よるCNx膜と窒化ケイ素の摩擦に及ぼす影響を明らかにし,安定した0.03以下の摩擦係数を発現するためのなじみ設計に対する指針を得た.具体的な結果を以下に示す. (1) CN_X被膜付Si_3N_4ディスクに対し,Si_3N_4ボールを用いて相対湿度約30%の大気中で500サイクルの予すべりを与えることにより,窒素ガス吹き付け下でCN_X被膜付Si_3N_4ボールとの摩擦において,荷重400mNでの摩擦係数が0.07から0.004に減少し,ボールの比摩耗量も1.0×10^<-7>mm^3/Nmから9.9×10^<-10>mm^3/Nmに減少した. (2) 大気中で50-1,000サイクルの範囲で予すべりを与えることにより,その後の窒素ガス吹き付け下でのCN_X被膜付Si_3N_4ボールとの摩擦において0.01以下の安定した超低摩擦係数が得られる. (3) Si_3N_4ボール及びCN_X被膜付Si_3N_4ボールとCNx被膜付Si_3N_4ディスクの摩擦において,ディスクに対して十分な予すべりを与えた場合,アルゴンガスの吹き付けによっても,窒素ガス吹き付けと同等の低摩擦係数を示すことを明らかにした.
|
Research Products
(5 results)