2007 Fiscal Year Annual Research Report
皮膜強度の世界基準評価法を目指したマイクロスラリーエロージョン法の確立と装置開発
Project/Area Number |
18360076
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岩井 善郎 University of Fukui, 工学研究科, 教授 (40115291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 知己 福井大学, 工学研究科, 准教授 (80251982)
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Keywords | マイクロスラリージェットエロージョン / MSE / 硬質皮膜 / DLC / 表面モルフォロジー / 摩耗試験装置 / スクリーニング試験法 / 表面強度 |
Research Abstract |
皮膜、基材と界面を明確に分離して硬質皮膜特性を超加速試験にて評価できるマイクロスラリージェット(微小粒子を含む水噴流)皮膜評価法(MSE法)の確立を目指して実験研究を行い、以下の成果を得た。 1.ポット式MSE試験装置を用いて、国際標準の評価単位として用いられている投射固体粒子量あたりの摩耗速度を求めるための要因について実験して考察した。その結果、TiN皮膜の摩耗速度は5.6×10^<-5>mm^3/gとなり、ASTM standard G76-02のガスジェットによるエロージョン試験結果の約1/100であることがわかった。このことは、従来法に比べて約100倍の感度で硬質皮膜の表面強度を評価できることを示している。 2.MSE試験法のメカニズムを確認するため、MSE装置のノズルから投射される微小固体粒子(アルミナ、ガラスビーズ)を含む水流を高速度ビデオカメラにより観察し、粒子の噴出速度は100m/s以上であること、また粒子は試験面にノズル形状と同じ形状の面積内にほぼ均一に衝突していることがわかった。 3.現在注目度の高いDLC膜についてMSE試験を行い、成膜条件によるDLC膜の表面強度の違いを、その摩耗速度から評価できることがわかった。 4.原子間力顕微鏡(AFM)を用いた時系列観察手法を研究し、DLC膜のMSE試験に適用して、DLC膜のMSE法による摩耗メカニズムは微小くぼみの形成とその周囲部の脱落によることを明らかにした。 5.ポット式MSE試験装置をべースに、さらに効率的に試験ができる新規なダブルポット式MSE試験装置を設計・製作し、評価装置としての機能を有することを確認した。 以上の結果から、MSE試験による硬質皮膜の評価法はスクリーニング試験法として非常に有用であることを確認した。
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Research Products
(5 results)