2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ精度の単純形状原器による歯車測定機校正法の開発
Project/Area Number |
18360077
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久保 愛三 京都大学, 工学研究科, 教授 (10027899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小森 雅晴 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90335191)
高辻 利之 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門長さ計測科幾何標準研究室, 室長 (20357362)
野中 鉄也 京都大学, 工学研究科, 助手 (00180761)
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Keywords | 計測 / 原器 / 歯車 / 校正 |
Research Abstract |
ギヤノイズは歯車歯面の微細な形状に支配されるため、騒音低減のためには歯車の超高精度な品質管理が必要となる。しかし、品質管理の根幹となる原器の精度は、現在のところ1um程度しかないため、検定・校正された測定機の精度は産業界の要求を満足するものとはなっていない。また、現状の原器はトレーサビリティが保証されていないという問題もある。このような状況を鑑み、本研究では次の成果を得ることを目的とする。 1.歯車歯面形状測定機の測定機能を数百nmレベルで精度保証するための検定・校正用ナノ精度原器を開発する。2.数十nm精度を有し、長期的にその精度を維持できる原器の構造設計とその製作、ならびに、高精度でトレーサビリティの保証された原器測定法を実現する。3.これらの原器による歯車歯面形状測定機のナノ精度検定・校正法を開発し、検証実験によりその有効性を確認する。また、検定・校正の高効率化・高精度化につながる原器固定・調整装置の開発を行う。4.これにより、歯車歯面形状測定機の数百nm精度保証システムの基礎を構築する。 本年度は、測定機への原器の設置方法と設置状態の高精度な確認方法の検討、設置誤差が検定精度に与える影響の理論的検討を行った。検討の際は、コンピューター上の歯車歯面形状測定機であるバーチャルギヤチェッカーを用いて、仮想空間上でのシミュレーションを行った。また、歯車歯面形状測定機に対応した検定・校正法の段取りを詳細に検討した。原器には温度変化による寸法・形状変化が少ないことが要求される。また、長期間使用されるため、経年変化が少ないことも重要となる。さらに、高精度に加工しやすい材料であることも要求される。これらの条件に適した材料・加工法を調査した。また、基礎実験のための高精度回転装置の検討を行なった。
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