2006 Fiscal Year Annual Research Report
二相系格子ボルツマン法と並列計算機を用いた気液二相流の大規模シミュレーターの開発
Project/Area Number |
18360089
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲室 隆二 京都大学, 工学研究科, 教授 (20263113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉元 宏 京都大学, 工学研究科, 講師 (50222055)
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Keywords | 格子ボルツマン法 / 界面ダイナミクス / 気液二相流 / 液滴衝突 / 気泡流 / マイクロ流 |
Research Abstract |
本研究では,これまでに開発してきた二相系格子ホルツマン法(二相系LBM)を並列計算機に移植し,気液二相流の大規模シミュレーターを開発し,このシミュレーターを用いて液滴流や気泡流の大規模計算を行い,実験結果との比較によりシミュレーターの性能を検証することを目的としている. 本年度の得られた研究成果は次の通りである. 1.格子ボルツマン法を用いて圧力計算のためのポアソン方程式の高速解法を開発した.開発したプログラムを既存の二相系LBMのプログラムに組み入れ,テスト計算により効率および妥当性を確認した.その結果,並列化効率は,ほぼ90%であることがわかった. 2.上述の二相系LBMプログラムをMPI(並列計算法)を用いて並列計算用プログラムに改良し,現有の小型PCクラスタ並列計算機(6CPU)を用いて動作確認とテスト計算を実施した. 3.上の並列計算用プログラムを購入したPCクラスタ並列計算機(32CPU)に移植し,動作確認をした後,次の基本問題を計算し,解析手法の妥当性を検証した. (a)液滴同士の衝突:直径比の大きな液滴衝突の計算が可能になった. (b)上昇気泡流:大きな領域の計算が可能になった. (c)ミクロ構造内の気液二相流:透過係数の評価が可能になった. 4.上述の基本問題への適用を通して,開発した並列計算用の二相系LBMのプログラムの並列化性能を検証した.その結果,いずれの問題に対しても,並列化性能は良好であることがわかった.また,次年度の検討課題として下記の課題を抽出した. (1)上昇気泡流の実験結果を調査し,計算結果との比較を行う. (2)ポアソン方程式を用いない圧力計算法の検討が必要である.
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