2008 Fiscal Year Annual Research Report
二相系格子ボルツマン法と並列計算機を用いた気液二相流の大規模シミュレーターの開発
Project/Area Number |
18360089
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲室 隆二 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (20263113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉元 宏 京都大学, 工学研究科, 講師 (50222055)
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Keywords | 格子ボルツマン法 / 界面ダイナミクス / 気液二相流 / 液滴衝突 / 気泡流 / マイクロ流 |
Research Abstract |
本研究では,既開発の二相系格子ボルツマン法(二相系LBM)を並列計算機に移植して気液二相流の大規模シミュレーターを開発し,このシミュレーターを用いて液滴流や気泡流の大規模計算を行い,実験結果との比較によりシミュレーターの性能を検証することを目的とした. 本年度の得られた研究成果は次の通りである. (1)前年度までに開発した大規模二相流シミュレーターを用いて,基本問題(液滴同士の衝突,上昇気泡流,ミクロ構造内の気液二相流)を計算し,既存の実験結果と比較して計算精度の検証を行った.その結果,本シミュレーターにより良好な計算精度が得られることが分かった. (2)最大の32CPUを用いた並列計算機を用いて,複雑流路内の気液二相流(例えば,燃料電池の拡散層の気液二相流の挙動んなど)の大規模計算を行い,局所の気液挙動を明らかにした. 現在,この成果は自動車用の燃料電池の開発に用いられている. (3)H18年度〜H20年度の研究成果をもとに,開発した大規模二相流シミュレーターの問題点を整理し,次段階の研究に着手するための総括を行った. (1)ポアソン方程式を用いない圧力計算法を提案したが,計算精度を向上させる必要がある. (2)LBMと埋め込み境界法とを組み合わせた方法が有望であり,今後の開発が望まれる. (3)気泡流のようなより複雑な現象解析には長時間の計算が必要であり,更なる計算時間の短縮化の検討が必要である.
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