2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360096
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大平 勝秀 Tohoku University, 流体科学研究所, 教授 (30375117)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石本 淳 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (10282005)
|
Keywords | 極低温流体 / 強制対流熱伝達 / 固液二相流 / スラッシュ窒素 / スラッシュ水素 / 再生可能エネルギー / 再使用型宇宙輸送機 / 超伝導機器 |
Research Abstract |
本研究は、配管内を流動する極低温スラッシュ窒素(液体窒素と固体窒素粒子が混在する固液二相流体、温度63K)の強制対流熱伝達現象、および伝熱が原因で発生する不安定流動現象を実験的、理論的に解明することを目的とする。また、得られた実験データおよび理論的な検討をもとに、スラッシュ流体の三次元管内固液二相流動解析コードを開発し、数値シミュレーションによる伝熱・流動現象の評価手法を確立する。 本年度は、2種類の熱伝達測定用ヒータ管(銅製、内径15mm、10mm)を新規に製作し、スラッシュ窒素流動試験装置にて実験を行った。取得したスラッシュ窒素およびサブクール液体窒素(温度63K)の強制対流熱伝達特性および伝熱時の流動特性を流体力学、伝熱工学の両面から検討を行った。実験条件は、流速1〜5m/s、固相率0〜40wt%、熱流束10、30kW/m^2である。流動・伝熱時にスラッシュ窒素の圧力損失が液体窒素より低下するもしくは同程度となる圧力損失低減効果と、低減効果に起因する熱伝達劣化現象を本研究にて初めて明らかにした。本成果は、スラッシュ流体を超伝導送電の冷媒として使用する際、ポンプ動力の低減が可能となり、機器の破壊に至るクエンチ等熱暴走現象を未然に防止する上で重要な成果である。 昨年度開発したスラッシュ窒素の三次元管内流動解析プログラムを改良し、解析を実施した。流速、固相率の違いによる流動解析結果をPIV法(粒子画像流速測定法)による流速測定結果と比較した結果、良好な一致を確認したことから、高精度な流動解析が可能である。スラッシュ水素の流動解析についても、物性を考慮して計算した結果、流体力学的に妥当な解析結果が得られており、スラッシュ流体の評価手法として活用できる。
|
Research Products
(12 results)