2008 Fiscal Year Annual Research Report
微細表面テクスチャを有する樹脂成形品の自己組織化的自発変形を利用した成形法の検討
Project/Area Number |
18360100
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 勲 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (10170721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 卓志 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20302937)
川口 達也 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (40376942)
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Keywords | 微細表面テクスチャ / 成形 / 自己組織化 / そり変形 / レーザー照射 / 形状制御 |
Research Abstract |
本研究課題では、大面積で比較的単純な形状のテクスチャが繰り返し附形される製品をターゲットに、型形状の転写のみによらずに微細表面形状を持つ成形品を得る新規な成形手法を考案し、その実現可能性・製品適用性を検討することを目的としている。研究計画の最終年度である平成20年度には以下の知見を得た。 (1) 溶融材料固化層のそり変形に基づく自己組織化的自発変形の附形スケール : 大面積で比較的単純な形状のテクスチャを有する成形品を、拡散板や回折格子などの光学部品として使用するためには、テクスチャの繰り返しピッチを光の波長に近い大きさにすることが必要である。そこで、最終年度では、本成形手法の応用性を検討する観点から、附形されるテクスチャを微細化するための成形条件とそれによる微細化限界を検討した。その結果、冷却板上に塗布される溶融樹脂材料の初期温度を高く、溶融樹脂と冷却板の接触角を鋭角に、ダイリップと冷却板の間隔を小さくすることで、附形されるテクスチャのピッチを小さくできることが明らかになった。この知見をもとに成形条件を最適化したところ、ピッチ30μmの微細テクスチャを附形することができ、前年度の成果であるテクスチャ形状の制御(冷却板との接触線形上の制御)と併せて、実用光学部品成形への端緒が得られた。 (2) 局所加熱による附形形状の制御 : 附形されつつある材料の温度をレーザー照射で外的に局所制御することによって、附形形状を制御することを試みた。その結果、冷却板接触直前の材料を局所加熱すると、その部位のテクスチャのピッチが小さくなり、アスペクト比が大きくなることが明らかとなった。この現象は、附形されるテクスチャの部分的調整や形状制御に応用でき、本成形法の実用性を高めるために有効であると結論した。
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