Research Abstract |
ミリメートルサイズ以下のマイクロエネルギー機器における混合・伝熱制御モジュールに小寸法噴流群(マイクロマルチ噴流,μ-MJ)を利用することを念頭に置き,噴流寸法の小型化において乱流混合が十分に機能せず,流れの低レイノルズ数(Re数)化・安定化によって劣化する混合・伝熱・燃焼性能を回復・促進させることを目的に,μ-MJの分割・配置の最適化を行うこと,および,混合・伝熱・燃焼制御の高度化のための噴流へのじょう乱付与,すなわち,噴流の自励共振,音響的加振,機械的加振を行うことの効果について,様々な実験系で実測・数値予測を行うとともに,各条件についての流速,乱れ強さのデータベース化を図った. 単独の自由噴流ならびに単純な管内噴流を基準に採り,それらとμ-MJの流動様式を比較することによって,混合性能に関するμ-MJの優位性を明らかにした.また,数値シミュレーションを並行して実施し,混合性能に及ぼすμ-MJの噴流孔上流域の流れ,旋回の伴う流れ,浮力の作用する流れの影響を調べた.μ-MJの小型燃料改質器およびμ-TAS用ミキサーへの応用を想定し,それぞれについての混合性能も評価した.とくに,改質器では改質反応領域の上流にμ-MJを導入することで,燃料と空気を高い効率で混合できることが分かった.いっぽう,μ-MJの更なる混合・伝熱促進のために,噴流に機械的じょう乱を付与して,μ-MJのRe数およびストローハル数(St数)依存性を実験的に調べた.この場合,噴流流速の加速・減速が顕著になる時間帯で噴流間の混合に与える加振の影響が増大すること,とくに,同一瞬間Re数が実現される位相時刻において,乱流-層流の遷移位置に相違が見られ,その位置が加速時の場合の方が減速時の場合に比して下流側に移動することが分かった.また,燃焼反応を伴う場合も含み,密度の異なるμ-MJについても加振効果を調べた. 以上の結果を含む主要成果を論文に纏め,内外の学術誌に公表した.
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