2006 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー効率を持つ歩行系の最適制御原理に関する研究
Project/Area Number |
18360115
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
浅野 文彦 独立行政法人理化学研究所, 環境適応ロボットシステム研究チーム, 研究員 (70415066)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羅 志偉 神戸大学, 工学部, 教授 (70242914)
|
Keywords | 動歩行 / 2脚ロボット / 歩容生成 / エネルギー効率 / 最適制御 |
Research Abstract |
研究代表者(理研BMC)および研究分担者(神戸大学)を中心に,共同研究機関と連携をとりながら,高効率な2脚動歩行の究極形とその実現理論について,更に深く研究を推進した.また,来年度の実験的検証を中心とした研究の準備として,回転駆動力を利用した膝関節を持つ冗長2脚ロボット,直動関節を持つ伸縮脚ロボットの2台を設計製作し,完成させた. 研究代表者は高効率歩容生成問題の理論研究を更に推進した.特に半円形状をした足部が持つメカニズムを解明するとともに,歩行システムにおける形態の重要性について考察を行った.移動効率を表すSpecific Cost of Transport (CoT)を指標として,究極的に高いエネルギー効率での歩行の限界点を見究めた.本研究課題の土台となる理論である仮想受動歩行では,仮想傾斜角度φから決定される歩行速度でエネルギー効率CoT=tan φを達成するが,これを超える性能を達成し,かつZero moment point (ZMP)の拘束にとらわれない,高性能2脚動歩行の一つの究極形として劣駆動仮想受動歩行を実現した.超高効率を意味するCoT=0.01以下の歩容は世界でも類を見ないものである.来年度は以上の成果を踏まえて研究を振り返り,形態や駆動構造の違いから見た歩行システムの分類と評価について検討を行う予定である. その一方で,研究代表者らが提案したパラメータ励振によるアプローチについても,伸縮運動の最適化(研究分担者)や回転駆動系による実現,実験的検証など,更に広く研究を展開した.回転駆動系によるアプローチでは,膝関節を適切なタイミングで駆動することでパラメータ励振を発生させ,安定な歩容を生成できることを示した.実機実験は間も無く完成の予定である. 以上の研究内容について,今年度は学会発表を中心に行った.学術雑誌へは現在投稿中であり,今後も積極的に執筆活動を行う予定である.
|
Research Products
(3 results)