2007 Fiscal Year Annual Research Report
繊毛運動可能な刺激応答性ソフトアクチュエーターの開発
Project/Area Number |
18360121
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
渡辺 敏行 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (10210923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 賢司 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (10251589)
戸谷 健朗 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 技術職員 (50397014)
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Keywords | 高分子ゲル / 二光子励起重合 / 光応答性 / 繊毛運動 |
Research Abstract |
光応答性部位であるアゾベンゼンを有し、かつ規則正しい網目構造を有する高分子ゲルを合成した。このゲルは光照射により、アゾベンゼンがトランス体からシス体へと異性化する際にミクロな構造変化にシンクロして、マクロな構造変化が誘起された。 ゲルの光応答性を評価するために、分子動力学法により、網目サイズの分布に関してシミュレーションを行った。その結果、剛直な主鎖を用いることによって、相互に入り組み、ミクロポアの無い均一な網目ができることが判明した。 このゲルをロッド上に加工し、大気中で442nmの光を照射すると、光照射方向に曲がるゲルが作製できた。このロッドをさらにスライスして顕微鏡下で可視光を照射して観察した。この際にゲルに青色レーザーを照射すると、ゲルが収縮し、青色レーザーを切ると、膨潤した。この青色レーザーのOn、 Offを繰り返すとゲルが拍動し、その中に含まれている溶媒をはき出し、ポンプとして機能することが明らかになった。また、光照射により溶液を噴射し、魚のようにイオン液体中を泳いでいく挙動も観察できた。レオメーターによる測定によって、光照射時には高分子ゲルの弾性率が約2倍に上昇することが明らかになった。これは光照射によって高分子ゲル中に擬似的な架橋点が形成されたことを意味している。光照射によって新たに構築された架橋点の割合は全体の40%程度であった。 このゲルを3次元光造形によって作製した型の中で重合することにより、マイクロニードルアレイを作製した。マイクロニードルアレイに青色レーザー光を照射すると、繊毛運動することが確認できた。
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Research Products
(14 results)