2006 Fiscal Year Annual Research Report
DNA操作細菌の電子発生原理の解明とフレキシブルマイクロ燃料電池の試作
Project/Area Number |
18360122
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
森島 圭祐 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助教授 (60359114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 勇二 東京農工大学, 大学院技術経営研究科, 教授 (10087190)
吉田 真 公立大学法人首都大学東京, 都市教養学部理工系機械工学コース, 助手 (60336518)
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Keywords | 燃料電池 / DNA / 細菌 / マイクロマシン / バイオリアクター |
Research Abstract |
バクテリアの寿命を向上させ、遺伝子操作による光合成・代謝能力の高いハソテリアを創生しマイクロ燃料電池へ適用し発電性能を向上させることを目的とした。バイオ燃料電池の発電性能を制限する要因のひとつとして、バクテリア自体の電子放出能力がある。本研究では、遺伝子操作を意図的にバクテリアに適用し電子放出能力の向上を図った。この手法を用いれば、他のバクテリアを用いたバイオ燃料電池の発電能力を向上することが出来る可能性を有している。そこで、有機化合物を吸収して光合成・代謝を行う、紅色光合成細菌(Rhodopseudomonas palustris)を燃料として使用した。野生型紅色光合成細菌は,(1)水素を放出するニトロゲナーゼ(nif)、(2)nifから放出された水素の一部を分解し、細胞内に電子供与体を生成するヒドロゲナーゼ(hup)という2つの酵素を持つ。これらの酵素を除去することで、紅色光合成細菌の電子発生量を制御する。実際に遺伝子操作を施し、電子放出能力を向上させたバクテリアと通常の野生型との電池出力を比較した。具体的な遺伝子操作の方法は、まず、野生型のnifを構成する遺伝子の一部を、制限酵素を用いて欠損させる。得られた欠損配列は、マーカー遺伝子を含むpUC118プラスミドに組込み,エレクトロポレーション法を用いて、野生型に導入する。その後,培養を行い,マーカー遺伝子を指標とすることで、蓄積型紅色光合成細菌を検出・分離することができる。この蓄積型紅色光合成細菌は、水素発生が抑制されるため、細胞内により多くの電子を発生することができる。実験の結果、遺伝子操作を施したバクテリアの方が高い出力を示していることが確認でき、遺伝子操作の有用性が示せた。
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Research Products
(4 results)