2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノチャネル電極構造による気液プラズマ3相の分離と高効率OHラジカル反応場の創成
Project/Area Number |
18360133
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安岡 康一 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (00272675)
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Keywords | 気液二相流 / OHラジカル / 誘電体バリア放電 / 水中プラズマ / 難分解物質 / LDV |
Research Abstract |
本研究は気液プラズマ3相の分離制御を実現することで,マイクロメートル級の薄い気体層(以後気相膜と呼ぶ)内にプラズマを発生させ,効率よいOHラジカル生成と水中難分解物質の完全除去を実現する全く新しい反応場の創成を目的としている。 気体流と液体流の相互作用を高速度ビデオカメラで詳細に観測し,微細気泡発生部と気泡形成部とを分離するリアクタ構造を考案した結果,プラズマ生成に適した気液二相流状態の生成に成功し,その生成条件の基礎を明らかにした。また気液二相流内の気相膜を誘電体バリア電極間に流入させることで,処理水と絶えず接触可能なプラズマ生成用気相膜として動作させた。 誘電体バリア電極間の気相膜にナノ秒立ち上がりの高速パルス電圧を印加すると,膜内にパルスプラズマが形成でき,このプラズマは気相膜とともに移動することを見出した。さらに液体相と気相膜との界面においてプラズマ電流の集中がおこり,本研究が目的とする気液プラズマ3相界面での反応場が形成されていることを,高速度カメラによる観測から明らかにした。さらにプラズマへの投入電力の評価と難分解物質として使用した酢酸分解量とから処理効率を試算し,極めて効率良い分解が実現できる見通しを得た。一方で,物質分解に主要な役割を果たすと考えられるラジカル種の特定には至らなかった。 気相膜は1mm以下で大きさは10mm以上であるが,その周囲は液体に囲まれている。こうした気相膜内における流体の挙動を明らかにするため,時間空間分解計測可能なレーザドップラー計測手法(LDV)を適用した。この結果,バリア放電の駆動周波数である数10kHzの交流電界下において,気体流の計測が可能な測定系を構築できた。
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