2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノチャネル電極構造による気液プラズマ3相の分離と高効率OHラジカル反応場の創成
Project/Area Number |
18360133
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安岡 康一 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (00272675)
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Keywords | 気液二相流 / OHラジカル / 誘電体バリア放電 / 水中プラズマ / 難分解物質 |
Research Abstract |
本研究は水中難分解物質の完全除去を目的として,処理水中に気液プラズマ3相からなる新たな反応場を形成し,反応活性種の時空間分布計測,難分解物質としての酢酸分解を行った。最終年度においては電極近傍の反応場をより拡張して,気液二相流の気液界面を反応場として選択し,流動するガス気泡内面に沿ってパルスプラズマを発生させた。同時に高繰り返し高速パルス駆動回路方式を確立することで,気泡時定数である10ms程度の時間内に気泡内面に沿った多数回の放電形成を実現した。これによって難分解物質分解に有効な,新たな高効率OHラジカル反応場を創成した。 また,分光計測によって水中気泡内ラジカルの特定をすすめ,OHラジカルが主な活性種であることを明らかにすると共に,全有機炭素濃度計測によって,酢酸分解速度や分解効率を定量的に評価し従来のプラズマ処理方式を上回る分解速度と高い効率とが実現できることを示した。反応場としては,マイクロプラズマを発生基点として数mmの気泡内にパルスプラズマを生成する方式と,ガラスに挟まれた短ギャップ内に誘電体バリア放電を発生する方式とを開発し,前者においては酸素ガス供給時においても比較的低電圧で複数プラズマを同時生成でき,かつ分解速度が高いこと,後者においては高い分解効率が得られ,プラズマが気液界面に集中する特異な反応場を形成することを見出した。また,水上パルスプラズマをレーザ誘起蛍光法により観測することでOHラジカルの時空間寿命を定量化し,前記反応場おける高効率ラジカル利用にはプラズマの低電流駆動が有効であることを明らかにした。
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