2007 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導ケーブルの動的複合ストレス環境を考慮した高信頼度化に関する研究
Project/Area Number |
18360135
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
早川 直樹 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 教授 (20228555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 仁 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90213660)
小島 寛樹 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 助教 (00377772)
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Keywords | 超伝導ケーブル / 高電圧 / 交流電圧 / インパルス電圧 / 電気絶縁 / 液体窒素 / 部分放電 / 絶縁破壊 |
Research Abstract |
本研究では,高温超伝導ケーブルの高信頼度かつ合理的・実用的な電気絶縁設計に資する絶縁データを取得・体系化することを目的としている.本年度は,高温超伝導ケーブルの絶縁環境を模擬した液体窒素/積層テープ複合絶縁系の部分放電(PD)/絶縁破壊(BD)測定により,以下の知見が得られた. (1)ハイパスフィルタ(HPF)を用いることにより,インパルス電圧下のPDを電気的に検出することを可能とし,インパルスPD開始電圧(PDIV)特性およびBD電圧(BDV)特性について検討した.また,HPFを用いた電気的/光学的PD計測によるPD開始特性から,PD開始時のインパルス比として1.5を得た.さらに,交流電圧および2種類のインパルス電圧印加時におけるPDIVおよびBDVの波頭長依存性から,波頭長が短いほどPDIVおよびBDVともに上昇することを示し,インパルスPD開始およびBD特性において,波頭長に基づく定量的評価が可能であることを示した. (2)高温超伝導ケーブルの常規交流電圧運転時における雷サージ電圧の侵入を模擬するために,交流/インパルス重畳電圧発生回路を構築するとともに,重畳電圧下におけるPD特性を取得し,印加電圧ストレスに基づいてPDの発生条件および継続時間特性について検討を行った.その結果,交流電圧にインパルス電圧が重畳することにより,PDIV以下の交流電圧下においてもPDが発生することを明らかにした.また,交流PDを誘発するトリガーストレス(交流/インパルス重畳電圧瞬時値)および定常ストレス(交流電圧)に基づいて,交流PD発生の有無を定量的に境界づけた.さらに,PD継続時間の印加電圧ストレス依存性から,PD継続時間はトリガーストレスである重畳電圧瞬時値よりも定常ストレスである交流電圧に依存しており,交流電界が支配的であることを示した.
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