2008 Fiscal Year Annual Research Report
遠方界曝露に対する人体全身平均SARと温度上昇の定量評価
Project/Area Number |
18360136
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤原 修 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (60135316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 晃正 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (00335374)
塩澤 俊之 中部大学, 工学部, 教授 (40029210)
上村 佳嗣 宇都宮大学, 工学部, 准教授 (20233950)
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Keywords | 遠方界 / 比吸収率 / 温度上昇 / 電波防護指針 / マイクロ波 |
Research Abstract |
1. 人体電気定数のin-vivo測定:昨年度に引き続き、人体を対象とした電気定数測定を実施した。計測器としては,ネットワークアナライザおよびTDRを用いた。成人に対してデータ収集し、測定方法による不確定性に加えて、個人差あるいは部位による変動について検討した。また、本検討を踏まえた上で、従来のin-vitro測定との差異について考察した。主な結果として、計測手法による測定結果の相違は無視できず、これは測定システム内のアルゴリズムによるものであると推察した。また、部位による不確定性は皮下組織の構成により大きく異なることを示した。 2. リアル人体モデルを用いたSAR解析:前年度までに構築した数値シミュレーション技法を用いて、日本人を対象としたリアルモデルに対する全身平均SARの大規模解析を実施した。特に、本年度は子供に対する解析を行い、最悪の曝露はどのような物理メカニズムにより生じるかを解明することにより、簡易に曝露評価ができるようなモデルの提案を行った。特に、厳密な人体モデルに対して得られた結果を基に、ボディマス指数から全身平均SARを推定可能な定式化を示した。 3. リアル人体モデルを用いた温度上昇解析及び簡易式の提案:子供モデルにおけるSAR分布を熱源として温度上昇の解析を行った。まず、体内温度上昇の周波数依存性について考察を行い、全身平均SARが一定であれば、温度上昇は周波数にほとんど依存しないことを明らかにした。また、生体内における熱収支の基礎方程式となる熱輸送方程式を基に、全身平均SARより体内深部温度上昇の推定式を提案した。その結果、数値シミュレーションで得られた結果と10%程度の差異で推定できることを明らかにした。
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