2006 Fiscal Year Annual Research Report
実機の状態での磁気特性考慮永久磁石モータの磁界解析法の開発とその実証的研究
Project/Area Number |
18360138
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 則雄 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40108121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 大輔 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (10346413)
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Keywords | 永久磁石モータ / 磁界解析 / 鉄損 / 回転磁界 / 応力 / 磁気特性 |
Research Abstract |
応力印加時、回転磁界下の磁気特性を単板磁気試験器を用いて測定し,この上うな実機の状態での磁気特性を明らかにして,これを本研究者らが開発したモータ解析ソフトウェアに組み込むとともに,実機の解析を行って,鉄損推定精度が向上していることを確かめた。 本年度の成果を要約すると,以下のようになる。 1.計測システムの構築と測定精度の検討 ディジタル方式の計測システムを構築し,システム全体における位相誤差などが測定精度に与える影響を検討した。 2.応力印加時の磁気特性の測定 モータ鉄心のプレス打ち抜き時やケースへの圧入時は主に鉄心に圧縮応力が印加されているので,けい素鋼板の試料に圧縮応力を印加して,B-H特性と交番磁界下での鉄損特性を測定し,100MPa程度の圧縮応力を印加すると鉄損が約10-20%増加することを示した。 3.焼きばめ応力付加時の局所磁気特性劣化の測定 実機モデルを用い,素材特性と焼きばめが施されている固定子のバックヨーク部の磁気特性を測定し,これらの測定結果を用いてモータの焼きばめが鉄損に与える影響について検討を行った 4.回転磁界下の磁気特性の測定 モータでは固定子鉄心に回転磁束が生じるので,モータの鉄損を正確に推定するには,回転磁束条件下での鉄損を精度良く測定しておく必要がある。本年度は我々が考案している高磁束密度下での二次元磁気特性を測定する装置の測定領域内の磁界分布の均一度を確かめるとともに,回転磁束条件下の鉄損の測定を行った。 5.歪んだ楕円回転磁界印加時の鉄損推定法の検討 前記(4)項で求めた回転磁界下での軸比別の鉄損測定値を用いて鉄損推定を行うため,歪んだ楕円回転磁界による鉄損Wを,磁束密度の基本波成分で作られる楕円回転磁界による鉄損W_0と,高調波成分による交番鉄損W_nの和で表されると仮定して推定を行うと,推定精度が改善されることを示した。
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