2007 Fiscal Year Annual Research Report
電力システムの構造変化に対応した電圧・無効電力制御の調達と効果に関する研究
Project/Area Number |
18360139
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
餘利野 直人 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 教授 (70182855)
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Keywords | 電力系統 / 電力自由化 / 無効電力 / 供給信頼度 / 系統制御 |
Research Abstract |
近年,市場原理の導入に伴い,基幹系統では設備投資の削減による系統の弱体化が露見しつつあり,配電系統では分散電源や新しいタイプの制御機器の導入が進むなど,電カシステムは構造的に大きく変化している。ここでは、このような状況下で特に問題となっている点として,(1)電カシステムの構造変化と信頼性の低下,(2)電圧・無効電力制御の潜在能力の評価法が存在しないこと、(3)競争環境下における電圧・無効電力制御の計画法や調達法の不備、という現状に対して解を与えることを目的として研究を遂行した。本年度は以下の成果が得られた。 大停電を回避する最終手段は負荷遮断であることに着目し、想定故障毎に負荷遮断量および負荷遮断コストを算出する手法を開発した。この負荷遮断コストを信頼度レベルを表す指標として用い、多数の想定故障に対して制御器の設置地点や制御性能を評価する準動的モデルを組み込み、指定した信頼度レベルを実現するために高速および低速無効電力制御機器の配置計画手法を開発した。さらにこの最適設置計画法に基づいて無効電力価値の算定法を提案した。無効電力は、平常時の送電損失の低減、想定故障に対する信頼性維持のための負荷遮断あるいは負荷制限量の削減、送電可能容量の増加などに寄与するため、各々の価格に対応させて算定すると、特に供給信頼度の維持に対して非常に高い価値があることが示された。 また、上記の研究を実施した際の副次的な成果として風力等の変動電源に対する周波数変動の解析手法、発電機群の安定度解析法、制御器の特性解析法、インピーダンスリレー特牲解析、送電可能容量計算法などを開発した。
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Research Products
(11 results)