2006 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属気相選択成長法によるガリウムヒ素単電子メモリの作製と評価
Project/Area Number |
18360142
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福井 孝志 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (30240641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本久 順一 北海道大学, 量子集積エレクトロニクスセンター, 助教授 (60212263)
原 真二郎 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 助手 (50374616)
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Keywords | 単電子メモリ / 量子ドット / 結晶成長 / 半導体物性 / 単電子輸送 |
Research Abstract |
有機金属気相(MOVPE)選択成長技術とナノ構造の自然形成技術の組み合わせにより作製した量子ドット構造を用いた「単一電子メモリ」の実現を目的とし、本年度は、これまで作製を行ってきた、GaAs細線とInAs量子ドット構造を有する量子ドットメモリのトランスファ特性において生じるヒステリシスについて、その機構に関する詳細な評価・検討を行った。今回、電流ICTS法と呼ばれる評価手法を用い、トラップの準位、及び捕獲断面積を評価し、ヒステリシス機構について検討した。評価にはMOVPE選択成長技術を用いて作製した、InAs量子ドットを有する細線FET構造を用いた。電流ICTS法とは、Vdsを一定に保つと同時に、ゲート電極にパルス的に電圧を印加することでIdsに生じるトランジェントから、活性化エネルギ、捕獲断面積、及びトラップの密度を評価する手法である。得られたICTS信号(t・dI/dt)の温度依存性曲線では、ピークの位置が時定数を示す。温度低下に伴いピークが長時間側にシフトする傾向が確認された。時定数のアレニウスプロットにより、今回の測定結果からは典型的に2つの活性化エネルギを見積もることができ、それぞれ0.33eV、0.18evである。またそれらの捕獲断面積は1.6×10^<-15> cm^2、3.8×10^<-19> cm^2であった。捕獲断面積のオーダを考慮するとこれらの準位は量子ドット自体によるものでなく、量子ドットに起因して形成された欠陥の準位であると考えられるが、詳細なデータ解析は現在行っている最中である。またその他、量子ドットに注入するキャリアソースとして、半導体薄膜上の強磁性体ナノ構造の自己形成技術についても結晶成長実験を行った。
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Research Products
(1 results)