2006 Fiscal Year Annual Research Report
有機強誘電体超薄膜を用いたローラブル超高感度赤外イメージセンサーの開発
Project/Area Number |
18360147
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石田 謙司 神戸大学, 工学部, 助教授 (20303860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 啓文 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40283626)
小林 圭 京都大学, 国際融合創造センター, 助手 (40335211)
桑島 修一郎 京都大学, 工学研究科, 助手 (80397588)
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Keywords | 強誘電体 / 有機材料 / 赤外センサー / フレキシブル |
Research Abstract |
本研究では「有機強誘電体」を用いてフレキシブル基板上に赤外センサーを形成し、ローラブルな1次元または2次元センサアレイの実現を目指し、有機強電材料・基板材の最適化によるセンサ性能の最大化とデバイス変形に伴う構造的、電気的特性変化を詳細検討し、湾曲耐久性の高いデバイス構造への指針づけを行っていく。 本年度は、焦電型センサーへの応用上、不可欠なフレキシブル基板上への有機強誘電体超薄膜の形成と焦電物性・強誘電物性の測定を行った。低熱容量でフレキシブルなポリイミド・フィルムを基板として用いて強誘電体キャパシタ構造を形成し、焦電物性と強誘電物性の測定をおこなった。特に、赤外光入射に伴う分極応答感度を向上させるため、上部電極には赤外光を吸収しやすく、下部電極には反射しやすい材料を選択し、ポリイミド/Au/VDF/Cr構造とした。石英基板に比較して誘電結晶相(II型)の混在比率が多少多いことが確認されたが、IV特性からは鋭い分極反転電流ピークを観測し、石英基板上のデバイスと遜色ない残留分極値(100-130mC/cm2)の発現に成功した。作製した焦電型有機赤外センサーに黒体炉から発生させた赤外光をチョッピングして入力し、光変調に伴う充電電荷の変化を電圧/電流計測した。その測定結果から赤外光に対する応答特性を評価した。その結果、分極処理したセンサ素子からは赤外光ON/OFFに伴って微分応答する電流/電圧特性が観測された。分極未処理なセンサからは応答性が観測されないことから、有機強誘電分子の分極変化に依存した焦電電流であることが分かった。また、フィルム上に形成した有機強誘電体薄膜デバイスでは、フィルム変形に伴う逆圧電応答特性も観測され、湾曲センサーとしての応用も可能であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)