2008 Fiscal Year Annual Research Report
有機強誘電体超薄膜を用いたローラブル超高感度赤外イメージセンサーの開発
Project/Area Number |
18360147
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石田 謙司 Kobe University, 工学研究科, 准教授 (20303860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 裕清 神戸大学, 工学研究科, 教授 (40116190)
小柴 康子 神戸大学, 工学研究科, 助手 (70243326)
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Keywords | 強誘電体 / 有機材料 / 赤外センサー / 超薄膜 / 誘電体物性 |
Research Abstract |
本研究では、「有機強誘電体」を用いてフレキシブル基板上に赤外センサーを形成し、高感度かつローラブルなセンサ実現を目的とした。本年度はフィルム基板上にAu/有機強誘電体/Cr構造のセンサ素子を複数形成し、赤外センサ信号の最大化を目指した素子構築と改良を実施した。成膜として従来実績のある低温基板への真空蒸着法を実施すると共に、室温雰囲気下での配向膜形成を目指し摩擦転写法による成膜を試み、その薄膜構造を詳細解析した。その結果、本デバイスにおいて有機焦電体の膜厚を500nmに固定して基板材フィルムの厚み依存性を確認した所、フィルム厚みが薄いほど、熱的な素子アイソレーションがおこり、入射赤外線に対する焦電応答性が高感度に出力された。一方でフィルム極薄化に伴って、デバイスを取り巻く環境ノイズを拾いやすくなり、圧電性雑音が増えることが示唆された。また本有機センサの赤外吸収スペクトルは有機焦電体及び上部Cr電極の厚みに依存してピーク位置がシフトした。これは下部電極、焦電体、上部電極にてファブリペロー共振構造が形成されていることを示唆している。一方、摩擦転写法により形成した強誘電性高分子の1軸配向膜をテンプレートとして強誘電性低分子を真空蒸着成膜したところ、有機/有機界面でのエピ成長特性から室温成膜にて配向性有機強誘電性低分子膜の形成と誘電ヒステリシス実現にはじめて成功した。これら形成した有機センサ素子をFET接続して信号増幅・検出し、ノイズシールドを施したT05型カンパージに実装し、その動作確認に成功した。加えて、有機赤外センサのフレキシブル性を検証し、デバイス湾曲形態においても赤外線センサとして動作できることを確認した。
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Research Products
(4 results)