2006 Fiscal Year Annual Research Report
実用環境を模擬した磁界・機械歪の影響下における超伝導線材内局所損失の可視化
Project/Area Number |
18360153
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木須 隆暢 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 助教授 (00221911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 昌睦 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 助手 (80346824)
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Keywords | 超伝導材料・素子 / 超伝導線材 / 機械歪み特性 / 可視化 / 計測工学 / 電気・電子材料 / 低温物性 |
Research Abstract |
本研究は、超伝導線材の実用化において重要となる、機械歪による超伝導特性低下の機構を解明し、特性向上を支援する事を目的に、実用環境を模擬した磁界、機械歪の影響下における超伝導線材内の損失発生の様子を、高空間分解能に可視化する観測手法を確立しようとするものである。平成18本年度の主な成果は次のとおりである。 (1)低温に保持した状態で超伝導線材に機械歪みを印加するためのクライオスタットを設計、開発した。同クライオスタットの主な特徴は、(1)歪みの印加方式は、U字型のバネ状ステージの上に試料を固定し、ステージの歪を介して、試料に対し一軸引っ張り・圧縮歪を加える方式で、引っ張り歪みと圧縮歪みを同一の治具にて印加することが可能である、(2)超伝導線材の特性向上に伴う大電流化に対応するため、最大で500Aが印加可能な通電機構および冷却機構を有する、(3)磁界、機械歪み印加時の局所発生損失をレーザ顕微鏡法を用いて可視化するため、光学窓を有する、(4)室温空間を有する超伝導マグネットによる磁界印加が可能である、等で、これらにより磁界、機械歪み印加時の超伝導特性を詳細に調べることが可能となる。 (2)超伝導線材に機械歪みを印加しない状態での超伝導特性を、広範な温度、磁界範囲に亘り明らかとした。作製プロセスや構造の異なる複数の超伝導線材を対象に実験を行っており、これらの結果は、機械歪みの影響を議論する際の基礎データとして重要となる。
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