2006 Fiscal Year Annual Research Report
13nm帯極紫外光および0.15nm軟X線伝送用高効率フレキシブル中空ファイバ
Project/Area Number |
18360157
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松浦 祐司 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (10241530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 克全 仙台電波工業高等専門学校, 情報通信工学科, 助手 (10361130)
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Keywords | 中空ファイバ / 真空紫外 / 軟X線 / X線伝送 / 中空導波路 / レーザ誘起プラズマ |
Research Abstract |
本研究の目的は,EUV・軟X線という伝送路未開の領域を開拓し,可視-近赤外領域で一般的に使用されているガラス光ファイバのように,柔軟かつ高効率な伝送路を実現することである.その手法として,EUV・軟X線の波長の全域をほぼ完璧に透過する唯一の材料,「真空」をコアとする中空光ファイバについて,本年度は以下の研究を行った. 1.EUV光伝送用金属薄膜内装中空ファイバ 対象とする波長5-20nmの領域では,ルテニウムや銀が石英より高い反射率を示し,これらの金属で中空ファイバを構成すれば,石英ガラスキャピラリよりはるかに高い伝送効率が得られることが期待された.そこで,ほぼ理想的な平滑面をもつガラスチューブを母材として,その内面に金属薄膜を形成した..その手法としては,銀については銀鏡反応を,ルテニウムについてはMOCVD法を用いた.波長13nmのレーザ誘起プラズマEUV光源を用いて製作したファイバの特性評価を行った結果,銀薄膜を形成したファイバは石英キャピラリと比較して高い透過効率を示した.ルテニウム成膜についてはCVD法により金属膜形成が可能なことを確認した. 2.軟X線伝送用金属薄膜内装中空ファイバ 各種イメージングや分析,がん治療などに用いられる波長0.5nm以下の軟X線領域においては,物質の屈折率の実部が1を下回るため,空気との境界面で減衰全反射が生じる.臨界角より大きな角度においては屈折率の虚部はゼロでないため完全な全反射にはならないが,きわめて高い反射率を呈する.この現象をを利用した軟X線用中空伝送路を実現について検討した.まずは特性評価のための装置を軟X線管とシリコンドリフトディテクタを用いて構築し,石英キャピラリと内面に銀薄膜を形成したファイバについて透過効率の評価を行った.その結果,特に高エネルギー帯(短波長帯)において銀膜内装の効果が高く現れることがわかった.
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