2008 Fiscal Year Annual Research Report
13nm帯極紫外光および0.15nm軟X線伝送用高効率フレキシブル中空ファイバ
Project/Area Number |
18360157
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松浦 祐司 Tohoku University, 大学院・医工学研究科, 教授 (10241530)
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Keywords | 中空ファイバ / 真空紫外 / 軟X線 / X線伝送 / 中空導波路 / レーザ誘起プラズマ |
Research Abstract |
本研究の目的は, EUV・軟X線という伝送路未開の領域を開拓し, 可視-近赤外領域で一般的に使用されているガラス光ファイバのように, 柔軟かつ高効率な伝送路を実現することである. その手法として, EUV・軟X線の波長の全域をほぼ完壁に透過する唯一の材料, 「真空」をコアとする中空光ファイバについて本年度は以下の研究を行った. (1) 多層薄膜内装中空ファイバ製造工程の最適化と評価 中空コア部分を多層薄膜で囲んだファイバを製作する方法として, 母材チューブの外面にスパッタリング装置を用いて多層薄膜を形成した後に, チューブを溶解・除去するという手法を用いることについて検討した. 多層膜形成法としてスパッタリング装置のほかにイオンビーム蒸着装置を用いることについても検討し, 製作したファイバの評価をレーザ誘起プラズマ光源を用いて行った. (2) 軟X線伝送用金属薄膜内装中空ファイバの高効率化と実用化検討 軟X線を伝送するための金属膜内装ファイバの製作および評価を行った. これまでの結果から, 蛍光X線分析に有効なエネルギー帯域をカバーするのに有効な, 中空ファイバに内装する金属材料として, ニッケルが優れていることがわかっており, 無電界メッキ法によるニッケル薄膜生成時の成膜条件の最適化を行うことにより表面粗さを低減し, ファイバの更なる高効率化を行うとともに,より長尺なファイバの製作について検討した. (3) 中空ファイバを利用した小型蛍光X線分析装置の試作 小型・可搬の蛍光X線分析装置のX線発生部および検出部に中空ファイバを使用し, 狭窄部や微小サンプルの検出が可能な分析装置の試作および評価を行った.
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