2006 Fiscal Year Annual Research Report
波長分散を利用した超高速・超広帯域波長可変モード同期光ファイバレーザとその応用
Project/Area Number |
18360163
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 真司 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (40239968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保立 和夫 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (60126159)
何 祖源 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (70322047)
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Keywords | 波長可変レーザ / 光ファイバレーザ / 高速波長掃引 / モード同期 / 半導体光増幅器 / 分散補償ファイバ / 光コヒーレンストモグラフィ |
Research Abstract |
波長可変レーザは、一つのレーザである範囲の波長の光を出力できるため、光ファイバ通信の光源としてのみならず、光ファイバや光デバイスの群遅延測定や光コヒーレンストモグラフィ(OCT)の光源としても応用されている。従来の波長可変レーザのほとんどは光フィルタを機械的にチューニングすることで発振波長を変化させているが、フィルタのチューニング速度限界のために波長掃引速度に限界がある。そこで本研究では、光フィルタを用いることなく、光ファイバの分散を利用してモード同期周波数を掃引することで、高速に波長を掃引できるモード同期光ファイバレーザを実現した。更には増幅媒質として、半導体光増幅器(SOA)を用いることで、広帯域な波長可変を実現した。 実現したレーザはσ型共振器の構成をしており、増幅媒質として波長1.3μmの半導体光増幅器(SOA)を用いている。SOAの注入電流を直接変調することによりモード同期を実現し、分散補償ファイバ(DCF)を共振器中に挿入することで、共振器内に適当な分散を与える。モード同期周波数と発振波長の関係を調べた結果、100nを越える波長範囲において、モード同期周波数に対して発振波長が線形に変化していることがわかった。さらに、モード同期周波数を三角波で周波数変調することで、発振波長を線形に掃引した。時間波形を測定した結果、SOAの利得プロファイルに沿って100nm以上の発振範囲が得られており、波長掃引速度を100kHz以上に上げても顕著な劣化はみられないことを示した。
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