2008 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙太陽発電所のマイクロ波送電ビーム制御の高精度化に関する研究
Project/Area Number |
18360171
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋本 弘藏 Kyoto University, 生存圏研究所, 教授 (80026369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 真毅 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (10283657)
三谷 友彦 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (60362422)
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Keywords | 新エネルギー / 太陽光発電 / 宇宙太陽発電所 / 到来方向測定 / ビーム制御 / レトロディレクティブ |
Research Abstract |
SSPS構想では,静止軌道から安全に効率よく正確に送電するため,非常な高精度でマイクロ波ビームを目標に向ける必要がある。これには地上の目標からパイロット信号を送り,その到来方向に送電するレトロディレクティブ方式が用いられる。レトロディレクティブシステムを作成し,実証実験として,長距離間でのパイロット信号到来方向に電波を送り返す高精度システムの実験を行うことを目的とする。 (1) ソフトウエアレトロディレクティブ方式の実験と評価 屋外実験用の装置を用いて暗室内において,パイロット信号の到来方向測定システムとビーム形成に関する成果を組み合わせた,ソフトウエアレトロディレクティブシステムを構成し,実験を実施した。パイロット信号に5.8GHz,送電側に2.46GHzで総務省から実験試験局の免許を受け、屋外での実験も行なった。 伝搬距離は暗室内では5.4mしかとれなかったが、屋外では25mで実験することができた。パイロット信号の送信および到来方向測定は、飛行船実験用のシステムを用いた。到来方向の測定結果をもとに、可変移相器を制御し、レトロディレクティブシステムを構成している。送信には、別途免許を取得した8素子の10mW送信機によるアクティブフェーズドアレイを用いて、特性を評価した。送電方向および到来方向の誤差のために、受信電力は理想よりは減ったものの、比較的高精度の実験が出来た。屋外では、暗室内のように設備が整ってないために、誤差が少し増加したが、長距離の実験に成功した。Time-frequency MUSIC法の実験も行い、雑音に強い方式であることを確認した。 (2) 災害時の移動体からの無線送電への応用 飛行船を用いた実験も行い、到来方向も測定できたが、少しの風で飛翔体が揺れるために定性的な評価しかできず、ビーム特性などの測定は出来なかった。今後の課題である。
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Research Products
(11 results)