2006 Fiscal Year Annual Research Report
電気光学効果を用いた超高速偏光変調・偏光操作デバイスの研究
Project/Area Number |
18360172
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村田 博司 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教授 (20239528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩見 英久 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助手 (00324822)
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Keywords | 偏光変調器 / 電気光学効果 / 分極反転 / 光導波路 / 光集積回路 / タンタル酸リチウム |
Research Abstract |
本研究は、研究代表者がかねてから研究を進めてきた"強誘電体分極反転構造を用いた電気光学変調技術"を用いて、DCからマイクロ波・ミリ波帯において動作可能な新しい小型高性能偏光変調・偏光操作デバイスを開発することを目的とするものである。本年度は下記の研究成果を得た。 1.高速偏光変調デバイスの動作解析・設計 単一モード直線導波路とコプレーナー型進行波型変調電極を用いた高速偏光変調デバイスの設計を行なった。基板材料には、z-cut LiTaO_3を用いて、電気光学テンソル成分r_<51>を利用した高速偏光変調の動作解析を行った。基板の屈折率の分散(材料分散)と光導波路による分散(構造分散)を考慮して、分極反転周期、光導波路、電極構造と変調作用の関係を求め、予想される特性を明らかにした。 2.分極反転構造と両偏光導波可能な光導波路の作製 これまでに、LiNbO_3やLiTaO_3などを用いた分極反転構造光導波路デバイスが報告されているが、そのほとんどは、プロトン交換導波路をベースとしている。しかし、プロトン交換導波路は単一偏光のみ導波可能であり、偏光制御デバイスへの適用は困難である。また、市販のLiNbO_3導波型電気光学変調器に用いられているチタン拡散法では、1000℃以上での熱拡散処理が必要であり、キュリー点が700℃程度であるLiTaO_3への適用は難しい。そこで、本研究では、両偏光が導波可能で600℃程度の熱処理で作製可能なニッケル拡散光導波路を採用した。ニッケル厚さ、熱拡散条件と導波特性の関係を詳細に調べて、低損失な単一モード導波路を作製するための条件、さらに、ニッケル拡散導波路に分極反転構造を作製するための条件を見出した。 3.デバイス試作、動作実験 設計に基づいてプロトタイプデバイスを試作した。動作実験の結果、波長633nmにおいて基本偏光変調動作の確認に成功した。
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