2006 Fiscal Year Annual Research Report
2次元配列バイオナノドットにおける不規則トンネル伝導と確率共鳴素子への応用
Project/Area Number |
18360173
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
冬木 隆 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (10165459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑山 智亮 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (90304162)
矢野 裕司 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (40335485)
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Keywords | 量子ドット / トンネル現象 / バイオナノプロセス |
Research Abstract |
本研究では、極薄トンネル酸化膜上に形成されたナノドットとSi基板間の量子トンネル伝導による不規則電子遷移(充・放電)を利用し、電極間のパーコレーションパスの形成を制御し、ゆらぎや擾乱の中で閾値を導き出す「確率共鳴素子」の基本となる、"random telegram signal (RTS)"を発生する素子の開発を目指す。具体的には、1]ナノドット配列におけるチャネル部誘起とパーコレーションパスの形成、2]電極間の完全不規則電流信号(RTS)の誘起・制御、3]擾乱信号より小さい極微小信号により確率論的にRTSが制御可能な新機能電子物性発現、の3課題を遂行する。 平成18年度は、1]極薄トンネル酸化膜の形成とナノドットアレイの埋め込みと、2]不規則トンネル伝導の解析、を中心に研究を展開した。自励充・放電を起こさせるためには厚さ1nm程度の高品質トンネル酸化膜を制御性良く作成する必要がある。現有の高速昇温熱酸化装置を活用して、1-5nmの極薄酸化膜の形成技術を確立した。ドット材料を内包したバイオ超分子のSi基板上へ高密度に2次元配列した。ドットとしては導電性を有する材料が必須である。埋め込み酸化膜との整合性を有する鉄やコバルトの酸化物半導体を超分子内へ内包した。基板上に配列させた後、タンパクを除去し、堆積酸化膜を現有のスパッタ装置や化学的気相堆積装置で形成し、ドット埋め込み構造を作製した。極薄トンネル酸化膜上に形成したナノドットと基板間の電子の充・放電現象を現有の走査型プローブトンネル顕微鏡や(STM)や導電性プローブを用いた原子間力顕微鏡により詳細に解析し、単一ナノドットからの電荷の充放電を初めて確認した。マクロに現れる容量変化の過度特性との関連を解析中である。
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