2006 Fiscal Year Annual Research Report
周期的格子欠陥による優れた特性を持つソニック結晶導波路の実験的研究
Project/Area Number |
18360176
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
宮下 豊勝 龍谷大学, 理工学部, 教授 (00026238)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟井 郁雄 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20026074)
|
Keywords | ソニック結晶導波路 / 欠陥モード導波路 / バンドパスフィルター / 音響導波路 |
Research Abstract |
研究計画に沿って研究を遂行し、当初の期待通り、次のような成果が得られた。 (1)アクリル樹脂円柱を周期的に並べ2次元ソニック結晶を組み立てるためのプラットフォームを製作した。一対の厚さ5ミリのアルミ板に直径5mmの穴を間隔6.25mmで15列×31列NCを用い正確に配置した。このサイズでは、空中超音波に対するブラッグ反射の周波数が約28kHzである。音源には7mm幅50mm高さのスリット状開口を持ち、精度よく2次元的な円筒波を放つスピーカーを選び、音場測定には1/4インチ径の広帯域マイクロフォンを用いた。さらに、ネットワークアナライザーの掃引モードを狭い中間周波帯域幅で用いて伝送効率を精度良く測定した。 (2)まず、直線状に一つおきの散乱体を取り除いた最も基本的な欠陥モード導波路を15×11格子から成るソニック結晶に作り、その透過率周波数特性を計測した。そのパスバンドは規格化周波数において0.556〜0.599であり、理論1値として先に得ていた0.54〜0.59にわたるパスバンドと良い一致を示した。さらに、パスバンドにおける伝送効率の実測値も2dB(導波路長11格子)ないし-1.4dB(導波路長15格子)であり、理論値と良い一致を示した。 (3)次に、11格子長の直線状欠陥モード導波路の後に直角曲がりをし、さらに25格子長の直線部を持つ欠陥モード導波路を構成し、後者の直線部を順次2格子ずつ短くした伝送効率の測定から、純粋の導波路内における伝送効率測定を行い、一格子間隔あたりの伝送効率は約-0.54dBと算出した。また、伝送効率周波数特性は、良好なバンドパスフィルター特性を示した。即ち、パスバンド内に対して、パスバンド外の透過率が約-40dBと大きな対比を示した。 (4)前者の導波路の出力端近傍において十字路を形成し3分岐を構成した。これまでの場合と同様のバンドパス特性とともに、3方向への分岐が得られた。ただし、3出力の大小関係は周波数に依存して数dB異なった。 (5)これらの実験的考察により、次の格子欠陥モード導波路の基本的特長が実験的にも明確になった。a)従来の一列に散乱体を取り除いたソニック結晶導波路におけるブラッグ反射が無い。b)導波路入出力端ならびに導波路の直角曲がりにおいて、反射がほとんど無い。
|
Research Products
(6 results)