2006 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導トンネル接合を用いたマイクロ波、ミリ波雑音源の開発
Project/Area Number |
18360177
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
野口 卓 国立天文台, 先端技術センター, 助教授 (90237826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 英夫 大阪府立大学, 理学研究科, 教授 (20022717)
浅山 信一郎 国立天文台, 先端技術センター, 上級研究員 (60390621)
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Keywords | 超伝導材料・素子 / マイクロ波・ミリ波 / 電子デバイス・機器 / 雑音源 |
Research Abstract |
雑音源素子として利用する、Nbを超伝導電極材料とし、Al酸化膜をトンネルバリアとしたNb/AlOx/Nb構造の超伝導トンネル接合素子(SIS素子と呼ぶ)の製作実験を行った。平成18年度始めに、SIS素子製造設備を野辺山電波観測所から国立天文台三鷹キャンパスのクリーンルームに移設したため、製造設備の再立ち上げと製造条件の回復に予想外に時間がかかってしまった。しかし、年度終了時には、Nbの超伝導ギャップ電圧(約2.8mV)以下の領域でのリーク電流が著しく小さく、ギャップ電圧で急激な電流の立ち上がりを示した後、ギャップ電圧以上でオーミックな直線となる、ほぼ理想的なSIS素子の製作が可能となった。さらに、0-20GHzのマイクロ波帯で動作する雑音源回路モジュールの詳細設計を行った。当該雑音源回路モジュールは、SIS素子が作りこまれた微小基板(チップ)と超伝導伝送線路からなる。当初、これに加えて、DCバイアス回路も組み込む予定であったが、0-20GHzの全帯域で動作するバイアスティー(DC-RF分離回路)の実現が非常に難しいことが判明した。そのため、DCバイアス回路はモジュールに外付けすることとした。 また、当該雑音源回路モジュールに回路素子として組み込むSIS素子およびその周辺回路の詳細な電気設計を行い、SIS素子チップの最適な回路パターンを決定した。この結果に基づき、マイクロ波帯雑音源となるSIS素子が組み込まれた回路チップを実現するフォトマスクの設計および製作を行った。現在、このフォトマスクを用いて、0-20GHz帯で動作するマイクロ波雑音源用SIS素子の製作を行っている。
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Research Products
(6 results)