2007 Fiscal Year Annual Research Report
安全なJPEG及びJPEG2000ステガノグラフィの研究開発
Project/Area Number |
18360183
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
野田 秀樹 Kyushu Institute of Technology, 情報工学部, 教授 (80274554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新見 道治 九州工業大学, 情報工学部, 准教授 (20269088)
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Keywords | 情報保護 / 情報秘匿 / ステガノグラフィ / ステガナリシス / 埋め込み検出 / JPEG / JPEG2000 |
Research Abstract |
ステガノグラフィは、秘密情報や秘密通信の存在自体を隠す技術であり、暗号と併用することによって極めて強力な情報保護が実現できる。埋め込み検出に代表される、ステガノグラフィに対する攻撃はステガナリシスと呼ばれている。本研究の目的は、安全なステガノグラフィの実現を目指して、各種のステガナリシスに対して耐性を有するステガノグラフィを研究開発することである。標準規格で非可逆圧縮されたメディアデータ(具体的には、静止画像ではJPEGとJPEG2000、動画像ではMPEGとMotion-JPEG2000)を用いる安全なステガノグラフィを実現する。 JPEG画像を用いるJPEGステガノグラフィでは離散コサイン変換(DCT)係数に、JPEG2000画像を用いるJPEG2000ステガノグラフィでは離散ウェーブレット変換(DWT)係数に情報を埋め込む。ステガナリシスでは、埋め込み前後での量子化DCT係数や量子化DWT係数の分布(ヒストグラム)の変化を捉えて埋め込み検出を行う場合が多い。ヒストグラム形状を保存するQIM-JPEGステガノグラフィやQIM-JPEG2000ステガノグラフィを既に実現しているが、QIM-JPEG2000ステガノグラフィでは、埋め込み後のファイルサイズが極端に増加する問題点があった。本年度はこの問題点の原因を解明し、埋め込み後のファイルサイズがほとんど増加しないQIM-JPEG2000ステガノグラフィを実現した。また、QIMとWP(Wet Paper)符号を併用するJPEGステガノグラフィ(WP-JPEG)を実装し、既提案のQIM-JPEGステガノグラフィとの性能比較を行った。Fridrichの方法で埋め込み検出実験を行い、2種類の誤り率を等しくする等誤り率で評価を行った。WP-JPEGは、QIM-JPEGよりも一層埋め込み検出が困難であることを確認した(典型的な例で、検出誤り率はQIM-JPEGで35%、WP-JPEGで44%)。
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Research Products
(4 results)