2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360190
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 完次 The University of Tokyo, 人工物工学研究センター, 教授 (50031133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 信忠 神戸大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80332758)
西野 成昭 東京大学, 人工物工学研究センター, 助教 (90401299)
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Keywords | 限定合理性 / 生物指向型生産システム / 実験経済学 |
Research Abstract |
計算機実験,被験者実験を用いた社会システムにおける限定合理性分析と,両成果を統合して限定合理性を導入した生物指向型生産システム構築を行った. 1.限定合理性を導入した生産システム計算機実験 18年度に構築したシステムを拡張し,人工システムにおける限定合理性の導入の有効性を検証するを計算機実験を行った.大規模な生産システムを対象にしたマルチエージェントシミュレーションを用いて,生産環境に関する情報の不完全性と,生産目的に関する情報の不完全性のそれぞれの条件下で限定合理的エージェントを導入したシステムが,合理的エージェントのみからなるシステムよりも高い性能を示す場合があることが示された. 2.被験者実験による社会システムにおける限定合理性分析 人間を被験者として実験を行い,経済活動を再現して人間の意思決定過程を分析する実験経済学の手法を用いて,社会システムにおける人間の限定合理的行動に関する分析を行った.不完全情報下における製品普及モデルや循環型社会における意思決定モデル等を用いた被験者実験によって情報の不完全性と人間の意思決定過程について分析し,不完全な情報下において限定合理的行動が生じやすくなる傾向を示した. 3.限定合理性を導入した生物指向型生産システム構築 最終的に,限定合理性を導入した人工エージェントと,実世界の人間の限定合理的な性質を有する人エージェントを含んだ生物指向型生産システムの基礎モデルを構築た.さらに,複雑なプロセスを伴う半導体生産システムへの適用可能性について,計算機実験により検証を行っている.また,限定合理性を含んだ創発的方法論(Emergent synthesis)の観点から,生産システムについて考察した.前年度までの成果を含め,生産システムにおける限定合理性の影響と限定合理性導入の有効性に関して,全体をとりまとめている. 以上を総括し,成果を関連学会や雑誌論文として発表した.
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