2006 Fiscal Year Annual Research Report
誘電泳動を利用したナノセンシングデバイス作製技術の開発と応用
Project/Area Number |
18360200
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
末廣 純也 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 助教授 (70206382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 龍雄 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 教授 (90127994)
今坂 公宣 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 助手 (40264072)
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Keywords | 誘電泳動 / カーボンナノチューブ / ZnOナノロッド / パラジウムナノ粒子 / 水素センサ / 紫外光センサ / レーザーアブレーション |
Research Abstract |
【1】パラジウム触媒を用いたカーボンナノチューブ水素ガスセンサの開発 (1)誘電泳動によってパラジウム電極にカーボンナノチューブを用いて、最低で濃度0.05%の水素(空気希釈)を検出することに成功した。 (2)パラジウムナノ粒子とカーボンナノチューブを誘電泳動によって同時に集積することで、最低で濃度0.05%の水素(空気希釈)を検出することに成功した。 (3)上記2種類の水素センサは、水素暴露直後に抵抗が増加しその後減少に転じるという応答を示した。最初の抵抗増加は、パラジウムによって吸着解離した水素原子がp型半導体であるカーボンナノチューブを還元した結果であると考えられる。一方、その後の抵抗減少は、同じくパラジウムによって吸着解離した空気中の酸素原子が水素原子と反応して水分子を生成する際の反応熱によって、カーボンナノチューブの温度が上昇した結果であると考えられる。 【2】パラジウムナノ粒子を誘電泳動集積した水素ガスセンサの開発 (1)レーザーアブレーションで生成したパラジウムナノ粒子を誘電泳動集積し、水素ガスへの応答を調べた結果、最低で濃度1%の水素(空気希釈)を検出することに成功した。 (2)上記の水素センサは、最初の水素暴露直後に抵抗が低下するが、二回目以降の水素暴露では逆に抵抗が上昇した。その応答メカニズムは現時点では明らかではないが、パラジウムナノ粒子の水素吸蔵による膨張や発熱が関与しているものと推察される。 【3】ZnOナノロッドの誘電泳動集積による紫外光センサの開発 (1)レーザーアブレーションで生成した高品位ZnOナノロッドを誘電泳動集積し、紫外域波長の光への応答特性を調べた。 (2)上記センサは、波長390nm以下の紫外光のみに選択的に応答し、10nW/cm2レベルの極微弱な紫外光を高感度に検出できた。これは、誘電泳動集積によって、ナノロッドの側面に効率的に紫外光が入射できるためであると考えられる。
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Research Products
(6 results)