2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360201
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三平 満司 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (00196338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中浦 茂樹 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (20323793)
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Keywords | ゼロダイナミクス / デビルスティック / ジャグリング / 鉄棒の振り上げ運動 / アクロボット / エネルギー相互作用 / しなりのエネルギー |
Research Abstract |
今年度は,人間の技巧的動作としてデビルスティックを用いた持続回転運動としなりのある鉄棒での振り上げ運動を考えてきた. デビルスティックとは曲芸の一種であり,手にした1本のハンドスティックを操作することで,空中に浮いたもう1本のセンタースティックを落下させずに持続的に回転させ続ける技巧的な運動である.この運動におけるゼロダイナミクスを解析・不安定化することで得た持続回転運動を実現するための条件に基づいた数値シミュレーションでは十分な持続回転が得られるが,汎用マニピュレータを用いた実験では回転周期が早まる傾向が確認していた.そこで,ゼロダイナミクスの解析を再度行った結果,2本のスティックの接触点に依存して,回転周期が変化することがわかった.そこでセンタースティックの回転速度に応じてこの接触点の位置を動的に変化させることでほぼ一定の回転周期を保持したまま持続回転運動が実現できることを示し,軽量化を主とした改良を行った実験装置により,これまでの数回転から最大37回転の持続回転運動が実現できることがわかった. しなりのある鉄棒での振り上げ運動とは,体操選手が使用するようなしなりを有する鉄棒において,そのしなりを効果的に活用した振り上げ運動の実現を目指すものである.本年度においては,しなりの効果を利用しやすい2リンクのロボットを対象に,鉄棒のしなりのエネルギーとロボットのエネルギーに注目した運動解析を行った結果,両者の間にエネルギーの相互作用が存在することが明らかになった.そこでその相互作用を適切に制御することで,より効果的に鉄棒のしなりを利用して振り上げ運動が実現できることを示し,実機による検証実験でもその有効性を確認した.
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