2006 Fiscal Year Annual Research Report
閉鎖空間を有する社会基盤施設におけるコンクリート構造物の火災に対する安全性の検討
Project/Area Number |
18360205
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
堀口 敬 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30094816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗岡 均 鹿島建設株式会社, 研究・技術開発本部技術研究所, 上席研究員 (80374023)
志村 和紀 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (60187474)
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Keywords | 火炎 / コンクリート構造物 / 耐火性 / 線維補強コンクリート / 温度時問曲線 / 防災 |
Research Abstract |
初年度である平成18年度においては、高温下におけるコンクリート材料の力学物性について、曲げ強度と破壊靭性を中心に検討を行った。さらに、爆裂特性について詳しく検討し、爆裂に有効であることが報告されている各種有機繊維を混入した繊維補強コンクリートについて、高強度特性との関連性を交えて検討を行った。さらに、爆裂防止機能を有した有機繊維と靭性確保を目的とした鋼繊維の2種類の異なる繊維を効果的に混合したハイブリッド繊維補強コンクリートの耐火性状についても併せて検討を行った。 火害後の残存特性について、圧縮強度、曲げ強度、および破壊靭性に関して検討を行い、設定温度領域における強度の低下傾向について詳しく検討を行った。設定温度に関しては、200、400,600℃とした。さらに、コンクリートの内部特性を把握する手法として透水係数を測定し、火害後の水密性の変化からコンクリート内部の微視的構造の変化を比較し、詳しく検討した。対象としたコンクリートは、普通コンクリート、高強度コンクリート、有機繊維補強コンクリート、ならびに鋼繊維と有機繊維を混合したハイブリッド繊維補強コンクリートである。ここでは有機繊維として、ポリプロピレン繊維とポリビニルアルコール(ビニロン)繊維を用いた。 高温下での強度低下の少ない高性能耐火コンクリートの開発を実施した。基本的には、セメントクリンカーの組成を変化させ、耐火性を向上させる方法、骨材の組み合わせを考慮した方法、積極的にポゾラン反応を促進した材料を用いた方法、などにより600℃程度までは強度低下が少ない高性能耐火コンクリートの開発を行った。今年度の研究成果から、大きな可能性が認められたが、この分野の研究には継続的な研究が特に必要であるものと思われる。 以上が昭和18年度における主な研究実績の概要であるが、これらの項目について初年度から3年間で継続的に実施する予定であり、初年度限りで上述した項目について完了したわけではない。次年度では、今年度得られた研究成果を有効に利用し、随時必要な追加実験を実施し検討するものである。
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Research Products
(3 results)