Research Abstract |
合成桁の設計にあたり,最も重要な課題となる曲げ強度の評価に関し,断面強度区分式を提案した.これは,世界の2大コードと呼ばれる欧米のコード,ECやAASHTOで規定される設計式と異なる独自のもので,膨大な数値計算をベースに提案した.せん断強度式については、Basler式をベースとし,実験的検証から,安全側の評価となることを明らかにした.せん断強度評価法については世界的にも膨大な研究成果があるが,いずれも明解に強度を評価できていない,非常に難しい課題でもある.せん断が断面構成を支配する箇所が比較的少ないこと,また独自に設計式を提案するのは研究期間中では困難と判断していることから,Basler式を設計式に組み込むことを考えている.曲げとせん断が同時に作用する場合の相関強度評価については,我が国独自の4乗相関則を提案予定しており,実験的検討を行った.その結果,相関が見られないという新しい知見を得た.この成果を設計法にどのように持ち込むか、今後検討予定である。この他、使用限界状態(床版ひび割れ限界、鋼材の降伏限界、ウェブの弾性座屈限界)の照査に関わる設計式を提案あるいは整理した. 本年度の研究においては,性能の定義と性能を照査するためのフォーマット,設計法の構築を行った.また,合成桁の正曲げモーメント,負曲げモーメント卓越部及び正,負曲げ交番部を対象に具体的な照査フォーマットを構築した.今後は実験を主体とした研究を行うが,主には強度式の妥当性を検証し,最終的な性能照査限界状態設計法の構築,提案を行う.
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