2007 Fiscal Year Annual Research Report
グローバルコンペテイションに対応できる合成桁の性能照査限界状態設計法の開発
Project/Area Number |
18360214
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
長井 正嗣 Nagaoka University of Technology, 工学部, 教授 (20207971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥井 義昭 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40214051)
岩崎 英治 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (10223380)
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Keywords | 合成桁 / 2重合成桁 / 合成ハイブリッド桁 / スタッド / ひび割れ幅制御設計法 / 性能照査型設計法 / 限界状態設計法 |
Research Abstract |
本研究では、経済性の観点から種々の構造物に多用されている合成桁構造に着目し、主には橋梁構造を対象とした合成桁の性能照査限界状態設計法の構築を行うものである。世界の2大コードと呼ばれるEC(ユーロコード)、AASHTO(アメリカコード)では、10-20年の歳月、人、費用をかけ、限界状態設計法への移行を行い、現在ではほぼ完成状態にある。このうち、ECは世界制覇を念頭においている。一方、我が国では依然として許容応力度設計法が採用され、合成構造のもつ本質的特性を反映できない設計を行っている。このような状況の中、合成桁の特性を考慮できる限界状態設計法への移行は必須の課題と言え、あわせアジアでの社会インフラ構築事業獲得に関わる我が国ステータスを確保する必要がある。本研究では、このような観点から、世界競争(グローバルコンペテイション)に勝てる性能照査限界状態設計法の構築を目指した。 合成桁の曲げ強度評価については、桁挙動を忠実に再現したFEAから、オリジナルかつ、ECやAASHTOに比べて競争的、経済的な断面構成が可能となる断面区分式を提案した。せん断強度評価については、Basler式を適用することとし、これはAASHTOと同様の扱いとなる。曲げとせん断の相関強度については、合成桁では照査不要とし、鋼桁単独では4乗相関則の適用を提案した。AASHTOはすべてのケースで照査不要としており、疑問が残る。ECでは常に相関強度照査が義務付けられる。以上の、主にはFEAに基づく提案について、数は限定されるが実験的研究から妥当性を確認している。また、使用限界状態に照査法についても独自の手法を提案している。 本研究では、通常の合成桁のみでなく、連続合成桁の中間支点位置、下フランジ(圧縮作用)にコンクリート床版を設置する2重合成構造また、鋼桁のフランジに、桁のウェブに比べて高強度の鋼材を用いる合成ハイブリッド桁の設計法の提案もあわせ行っている。
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