2007 Fiscal Year Annual Research Report
海洋コンクリート中の鉄筋腐食分布の空間構造評価に関する研究
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18360221
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Research Institution | Independent Administrative Institution Port and Airport Research Institute |
Principal Investigator |
横田 弘 Independent Administrative Institution Port and Airport Research Institute, LCM研究センター, センター長 (50344312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩波 光保 独立行政法人港湾空港技術研究所, LCM研究センター・地盤・構造部, 主任研究官 (90359232)
加藤 絵万 独立行政法人港湾空港技術研究所, LCM研究センター, 主任研究官 (90371765)
下村 匠 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (40242002)
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Keywords | コンクリート / 鉄筋腐食 / 局所化 / 異方性 / 港湾構造物 / 構造性能 / 劣化促進 / 鉄筋断面減少 |
Research Abstract |
本研究では、海洋コンクリートの中の鉄筋を対象に、腐食分布の異方性や偏在などの空間構造を評価することを目的として、港湾において長期間供用されている鉄筋コンクリート(RC)構造物を対象とした現地実態調査および劣化促進実験により、種々の部材内異方性および部材間異方性等の腐食現象の局所化・偏在メカニズムおよびその発生条件を解明する。また、鉄筋腐食の局所化や偏在を再現したRC部材の載荷実験および数値解析の結果を踏まえて、構造物や部材の構造性能評価手法についての検討を行い、腐食分布の空間構造の違いが構造物や部材の破壊モードや構造的危険度に及ぼす影響についても考察する。 平成19年度は、前年度までに明らかとなった鉄筋腐食の局所化・偏在がRC構造物や部材の構造性能に及ぼす影響の程度を検討するため、モデル試験体の載荷実験および数値解析を行った。その際、モデル試験体は鉄筋腐食の局所化・偏在を劣化促進実験により忠実の再現したとともに、数値解析では、上記のモデル試験体を対象とし、腐食した鉄筋とコンクリート間の付着劣化のモデル化を試みた。これからの結果に基づいて、鉄筋腐食の局所化・偏在が生じたRC構造物や部材の構造性能評価手法を提案した。2ケ年にわたり得られた知見に基づき、海洋環境下にあるRC構造物を防食、すなわち劣化の進行を抑制する場合に、鉄筋腐食の局所化・偏在の取り扱いについての検討を行い、現状の防食方法(劣化進行抑制方法)に対する改善案の提案を試みた。その際、コンクリート中の鉄筋腐食の空間的不均一性が腐食ひび割れ発生限界に及ぼす影響についても検討を行った。これらの成果に基づき、海洋環境下に建設されるRC構造物のライフサイクルマネジメントに基づく維持管理の手法について取りまとめ、提案した。
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