Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 輝之 北見工業大学, 工学部, 教授 (30003205)
庄子 仁 北見工業大学, 未利用エネルギー研究センター, 教授 (50201562)
南 尚嗣 北見工業大学, 機器分析センター, 助教授 (40241426)
八久保 晶弘 北見工業大学, 未利用エネルギー研究センター, 助教授 (50312450)
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Research Abstract |
ロシア・バイカル湖にて実施した浅層型メタンハイドレート賦存地盤調査から,湖底表層土の工学的特性について検討を行った。調査ではメタンハイドレートを含む湖底表層の堆積土採取,コア観察および現地船上試験(コーン貫入試験,ベーンせん断試験,ベンダーエレメント試験,一軸圧縮試験)を行った。その際,試料はメタンハイドレート含有堆積土のほかに,音波探査によりメタンハイドレートの存在が確認されなかった地盤からも採取し,各種試験での比較を行った。その結果をまとめると以下のようになる。 1.泥火山やメタンガス・フレアの存在している地盤の表層で,メタンハイドレートを含むコアが採取された。コア内に観察できたメタンハイドレートの形状は塊状,粒状,板状であり,砂層の間隙中に形成,存在する深層型メタンハイドレートとは異なるものであった。 2.メタンハイドレートが観察されたコアでは,メタンハイドレートが存在していた深度より上部で1〜5mm程度の空隙が多く見られた。これはコア引き上げ時における溶存ガスのガス化や昇温,減圧による微小なメタンハイドレートの分解などが影響しているものと考えられる。 3.各強度測定値(コーン貫入抵抗,ベーンせん断強度,一軸圧縮強度)およびベンダーエレメント試験より求めたせん断波速度から,メタンハイドレート含有コアでは,採取湖盆,堆積深度および含水比などの物理試験値に関係なく,一様に低い値を示した。また,同一乾燥密度でも,メタンハイドレート含有コアはリファレンスコアよりも一軸圧縮強度が全体的に低い値を示しており,このことから堆積地盤下部から湧出しているガスや水による地盤の撹乱が生じているものと考えられる。 今後は,メタンハイドレート賦存地盤の強度低下原因として考察した応力解放や堆積構造の撹乱の影響を,室内実験で再現することでより詳細に検討する。
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