2006 Fiscal Year Annual Research Report
土粒子運動から構築する低速〜高速地盤流動構成モデルの開発と応用
Project/Area Number |
18360223
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山田 恭央 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (90111476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 亘志 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 助教授 (60251625)
竿本 英貴 独立行政法人産業技術総合研究所, 活断層研究センター, 特別研究員 (60421848)
川村 洋平 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 講師 (40361323)
小長井 一男 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50126471)
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Keywords | 斜面流動 / リングせん断試験 / Laser-Aided Tomography / 粒子流 / 個別要素法(DEM) / マイクロメカニックス / 土砂流動観測 |
Research Abstract |
本年度は、以下の研究を行った。 (1)低速〜高速中空ねじりリングせん断試験の設計と製作 低速〜高速に流動する粒子群の定常要素挙動を実現し、詳細な粒子運動を観測する目的で、LAT (Laser-Aided Tomography)可視化手法の適用が可能な中空ねじりリングせん断試験機を設計し、製作した。レーザーを照射する面の設定、観測のしやすいリング継ぎ目部の設計および間隙流体を充填する場合の流体の循環に関する工夫を施した。試験機は広い範囲の拘束圧とせん断変形速度を実現できるもので、次年度以降にシームレスな粒子レベル観測を行う予定である。 (2)粒子シミュレーション 上述の実験では得ることの難しいと考えられる粒子間接触力の情報について、固体粒子シミュレーション手法である個別要素法(DEM)による数値解析を行った。その結果、せん断速度が低速から高速になるにつれ、粒子の乱れが卓越し、材料は与えられた外力に対して、固体的な応力(粒子間の接触点のひずみエネルギーによる応力)から流体的な応力(粒子運動に伴う衝突による応力)によって抵抗するようになることがわかった。次年度以降、(1)の実験結果との定量的な比較を行う予定である。また、実際の土石流における巨礫の運動形態と、それが構造物に及ぼす衝撃力についても検討を行った。 (3)マイクロメカニックス構成モデル 第1段階として、準静的な応力を表現できる粒状体のマイクロメカニックス構成モデルを構築し、その妥当性を検証した。次年度以降、流体的な応力を付加して、低速〜高速流動問題に拡張する予定である。 (4)実サイズの土砂流動観測機器の開発と設置 筑波大学井川演習林内およびその付近に土砂流動観測機器を設置した。演習林内の観測装置は、電源の確保が困難であるため、土砂流動を簡易に検知するセンサーを開発し、その設置および作動確認まで行った。また斜面の測量も行った。他に1箇所、電源の確保が容易で、土砂流動の頻度の高い斜面を選定し、観測カメラを設置した。次年度以降、得られた観測結果の整理と数値解析との比較を行う予定である。
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Research Products
(6 results)