2007 Fiscal Year Annual Research Report
土粒子運動から構築する低速〜高速地盤流動構成モデルの開発と応用
Project/Area Number |
18360223
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山田 恭央 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (90111476)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 亘志 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (60251625)
川村 洋平 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (40361323)
小長井 一男 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50126471)
今泉 文寿 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教 (80378918)
倉岡 千郎 日本工営株式会社, 中央研究所, 次長 (30463540)
|
Keywords | 地盤流動 / 粒子運動 / マイクロメカニックス / 土石流 / 粒子法 |
Research Abstract |
本年度は、以下の研究を行った。 (1)井川演習林での斜面流動の観測 筑波大学井川演習林において、昨年度末に設置した2つの観測システム(押出し沢およびボッチ薙)によって、実規模の斜面流動に関する観測を行った。押出し沢に関しては、土砂流動を検知するために開発した安価なセンサーを設置し、実際の地盤流動を検知してカメラを作動させることも成功した。ただし、地盤流動以外の外乱にも作動することが多く、閾値の設定などに今後の改善が必要である。また、ビデオカメラの録画時間が2時間程度と短く、録画終了後に大きく流動したケースもあったことから、録画システムの改善も必要である。ボッチ薙に関しては、電源が確保できるため、大容量の記憶装置を備えており、急斜面であるにもかかわらず、流動が途中で止まってまた流れる「断続的流動」性状が観測された。今後はそのデータ処理を行い、流動メカニズムを解明することを目指す。 (2)大型水路での土石流実験 現地観測と平行して、より明確な条件の下での大型土石流実験を行った。土石流の流動に合わせて高速度カメラを高速移動させるシステムを開発し、礫粒子の流下挙動を長時間観測することが可能となった。後述の数値解析と合わせて、詳細なメカニズムの解明に役立つものである。 (3)SPH法による地盤流動解析手法の開発 FEMなどのメッシュ解析法では難しい地盤流動解析に粒子法の一種であるSPH法を用いる検討を行った。小型の模型実験と比較しながら、固体的な斜面崩壊から土石流のような流動まで、幅広く適用する解析アルゴリズムを確立する目処が立った。最終年度は、(1)の観測や(2)の大型実験、それから過去の地盤流動災害事例などと合わせることで、適切な構成モデルの検討や材料パラメータの同定などを行う。
|
Research Products
(6 results)